用語集

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QMS株式会社のオリジナルの用語集です。旬のトレンドキーワードから専門用語まで幅広くわかりやすく解説しています。

A

analog to digital converter
アナログ-デジタル変換器。A-Dコンバータともいう。アナログ信号をデジタル信号に変換する回路。

ALU

arithmetic logical unit
算術論理演算回路。マイクロコントローラ(MCU)やマイクロプロセッサ(MPU)を構成する部分の一つで加算、減算などの数値演算およびAND、OR、一致などの論理演算を行う。

API

application programming interface
アプリケーション・プログラムを記述するときに、OSの機能などを呼び出すためのインタフェース。OSで用意された命令や関数の集合またはそれらを利用するためのプログラム上の手続き。

application specific custom product
ASICの一つ。特定顧客向けの特定用途IC。カスタムICともいう。これには、フルカスタムICとセミカスタムICがある。後者には、ゲートアレイ、セルベースICなどがある。一般的にASCPをASICと表現するケースが多い。

application specific integrated circuit
特定用途向けIC。ASICの定義は多様である。広義のASICでは特定用途向けに専用機能をもつIC(ASCP、ASSP)をすべて含める。大規模なASICをシステムLSIという場合もある。一般には狭義に解釈する場合が多く、ユーザ固有の仕様をもつ専用ICを指し、ゲートアレイやセルベースIC、PLDなどのICが代表的製品である。

application specific standard product
特定用途向け専用標準IC。ASIC の一つ。半導体メーカが主体となり、各応用機器向けに特化して設計・開発がなされ、標準ICとして、複数ユーザを対象として出荷されるIC。

B

BGA

ball grid array
表面実装型パッケージの一つ。プリント配線基板に表面実装できるように、パッケージ本体のベース(底)面に金属ボールまたは金属バンプを一定の間隔で格子状に並べて外部端子としたパッケージ。

bipolar complementary metal-oxidesemiconductor
CMOSとバイポーラトランジスタの長所を組み合わせた半導体デバイス。CMOSは低消費電力、高集積に有利だが、出力電流が小さい。一方バイポーラトランジスタは動作速度が速いが、消費電力が大きい。そこで、デジタル信号処理を行う大規模な論理回路にCMOS技術を、高速または大出力が必要な部分にバイポーラ技術を使ったIC。

built-in self-test
組み込み自己テストともいう。IC内部にテストを行う機能を取り込んでいるため、高速・多ピンICの検査が容易になる。

Bluetooth(ブルートゥース、ブルーツース)は、デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つである。Bluetooth Basic Rate/Enhanced Data Rate (BR/EDR) とBluetooth Low Energy (LE) から構成される
数mから数十m程度の距離の情報機器間で、電波を使い簡易な情報のやりとりを行うのに使用される。
当初、エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の5社(プロモーター企業)によって策定された。その後マイクロソフト、モトローラ、3COM、ルーセント・テクノロジーの4社がプロモーター企業として加わった。現在は3COM、ルーセント・テクノロジーの2社が脱退し、Apple、およびノルディック・セミコンダクター(英語版)が加わり、9社がプロモーター企業となっている。IEEEでの規格名は、IEEE 802.15.1である。
2.4GHz帯を使用してPC(主にノートパソコン)等のマウス、キーボードをはじめ、携帯電話、PHS、スマートフォン、タブレットでの文字情報や音声情報といった比較的低速度のデジタル情報の無線通信を行う用途に採用されている。

billion operation per second
デジタル信号処理を行うプロセッサなどの性能指標に用いられる単位。1秒間に実行できる処理の基本単位の数を示す。billion= 10億。

C

CCD

charge coupled device
電荷結合素子。シリコン基板表面の酸化膜上に多数の伝送電極が配列されたMOS構造のデバイスで、自己走査機能と記憶機能をもつ。フォトダイオードと組み合わせたエリアセンサ(固体撮像素子)、リニアセンサおよび信号遅延素子などの製品がある。
→ CMOSイメージセンサ

complex instruction set computer
複合命令セットコンピュータ。ソフトウェア作成を簡単化するために多種多様な処理に対する命令セットを多くもち、機能や命令をハードウェアで実行させるようにしたコンピュータ(MPU)。一方,複雑な命令のため命令実行速度の向上が阻害される面もある。パソコンなどの汎用MPU の主流となっている。
→RISC、VLIW

complementary metal-oxide-semiconductor
相補型MOSともいう。nMOS FETとpMOS FETの両方を対にして相補型回路を構成したMOS デバイス。低消費電力で動作電圧範囲が広く対雑音特性にも優れている。現在、ICのほとんどがCMOSとなっている。

CMOS standard logic
TTL(Transistor Transistor Logic)と同じように品種も豊富で広く使用されているCMOSのロジックICファミリ。この汎用ファミリには、NANDやNORのようなゲート、フリップフロップなどのほか、バイポーラ高速ロジックICに匹敵するような高速CMOS標準ロジックが商品化されている。

CMOS image sensor
CMOS(相補性MOS)を用いた固体撮像素子。CCDイメージセンサ(撮像素子)と同様に、フォトダイオード(PD)を使用する。製造プロセスと信号の読み出し方法が異なる。単位セルごとに増幅器をもつことで、光変換された電気信号の読み出しによる電気ノイズの発生が抑えられる。CMOSロジックICのI製造プロセスの応用で大量生産が可能なため、高電圧アナログ回路をもつCCDと比較して安価であり、素子も小さくでき、消費電力も少ない。原理的にスミアやブルーミングが発生しないという長所がある。
→CCD

CMP

chemical mechanical polishing
化学的機械的研磨。ウェハ表面の平坦化、プラズマエッチングやRIE(Reactive Ion Etching)などの材料除去プロセス、また銅のデュアルダマシン法による配線形成などに使われる。物理的な研磨だけによるシリコンウェハへの損傷を低減するために化学的反応も用いる。平坦化技術という意味でChemical Mechanical Planarizationという場合もある。
→RIE、ダマシン法、平坦化技術

COB

Chip On Board
プリント配線基板の上に、パッケージに入っていない裸のLSIチップ(ベアチップ)を直接実装する方法。チップ電極と基板配線の接続手段として、ワイヤー・ボンディング法、フリップ・チップ法の2通りがある。

COP

crystal originated particle
シリコン結晶欠陥の一つ。シリコン単結晶で格子点にシリコン原子がない個所、すなわち「空孔」が集まった微小な欠陥。微細化の進展にともない、完全結晶の必要性が求められている。

CPU

central processing unit
中央演算処理装置。マイクロプロセッサ(MPU)やマイクロコントローラ(MCU)の中枢部分で、プログラムメモリ(ROM)から命令を読み出し、その命令に従ってデータ伝送や算術・論理演算などを実行する。データや命令、ステータスなどをストアするレジスタ、プログラムカウンタやスタックポインタなどの専用レジスタ、命令デコーダや演算を実行するALU、アキュムレータなどからなる。
→ MCU、MP

CPU core
加算や乗算などの基本演算を実行する装置であるCPU(central processing unit)と複数の周辺モジュールを集積したモジュールのこと。マイクロプロセッサ内部の一つのモジュールとしてCPUコアと呼ぶ場合が多い。
→モジュール

CSP

chip scale package、 chip size package
半導体チップサイズとほぼ同等の外形サイズのパッケージ。携帯機器など電子機器の小型軽量化を実現する。CSP にはワイヤボンド型CSP、セラミック型CSP、スルーホール型CSP、μBGA型CSPなどがある。いずれも外部電極を底面にグリッド(格子)状に配置し、外形サイズを極力チップサイズに近づけるような構造になっている。
→TAB

CVD

chemical vapor deposition
化学的気相成長法。ウェハ上に薄膜を形成する方法の一つ。配線として用いる多結晶シリコン、表面保護膜や絶縁膜として用いる酸化シリコン、窒化シリコン、PSG(Phospho-Silicate Glass:リン化酸化膜ガラス)など、形成したい薄膜の構成元素をもった気体をウェハ上に流し、その表面で化学反応を起こさせて薄膜を形成する。①エネルギー源(熱CVD 法、光CVD 法、プラズマCVD 法)、②成膜圧力(常圧CVD:AP-CVD、減圧CVD:LP-CVD)、③反応方式(有機金属化学気相成長法:MO-CVD)などに分類できる。
→PVD、気相成長
→TAB

D

digital to analog converter
デジタル-アナログ変換器。D-Aコンバータともいう。デジタル信号をアナログ信号に変換する回路。
→A-D変換器

DC-DC Power Supply
バッテリなどの直流電源から異なる直流電圧を発生する電源。ある直流電圧を高周波の交流に変換し、それをふたたび異なる電圧の直流に変換(DC-DCコンバータ)する。

double-data-rate synchronous dynamic random access memory
ダブルデータレート(DDR)モードという高速なデータ転送機能をもったSDRAM。同期を取るためのクロック信号の立ち上がり時と立ち下がり時の両方でデータの読み書きが行なえるようにしたもの。通常の倍の転送速度が実現できる。
→DRAM

DFM

design for manufacturability
製造容易化設計。設計の段階から、製造プロセスで生じる問題点を把握し、これを考慮して設計する考え方。半導体製造プロセスで生じる問題を設計の段階で事前に解決すること。

DIP

dual in-line package
ICパッケージの一つ。リード線がパッケージの対向する両側面から出ており、L字型に曲げられ、下に真直ぐ伸びている。基板挿入型の実装に用いる。

DMA

direct memory access
システムのCPUを介すことなく、デバイスとメモリ、メモリとメモリ間のデータ転送を行なう方法。

dynamic random access memory
揮発性メモリの一つ。記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ。メモリセルはトランジスタ1 個とキャパシタ(コンデンサ)1 個で構成され、情報の記憶はキャパシタに蓄えた電荷の有無によって行う。この電荷はリーク(漏れ)電流によって時間の経過とともに消えるため、一定時間ごとに情報を読み出して再度書き込みを行う必要がある(リフレッシュ動作)。電源を切ると記憶情報は消滅する。一般的な汎用メモリとして、広範囲に利用されている。
→SRAM

DRC

design rule check
マスクデータを検証するEDAソフトウェア。マスク設計基準(design rule)に対して、マスクレイアウト(マスクデータ)が違反、あるいは好ましくない個所の検出や確認に使用される。
→EDA、設計基準

DSP

digital signal processor
乗算器を内蔵し、積和演算機能をもつデジタル信号処理専用の1 チップマイクロプロセッサ。浮動小数点演算が可能であり、音声デジタル信号処理や動画像処理などに適している。
→浮動小数点

DSP

digital signal processor
乗算器を内蔵し、積和演算機能をもつデジタル信号処理専用の1 チップマイクロプロセッサ。浮動小数点演算が可能であり、音声デジタル信号処理や動画像処理などに適している。
→浮動小数点

DUT

device under test、design under test
一般的にはテストされるIC(device)を指す。この被試験ICを装着し、試験に必要な信号を伝達するボード類をDUTボードと総称する。また、回路検証においては検証対象となる回路(design)を指すこともある。

E

ECU

Electronic Control Unit
電子制御装置の略語。通常、自動車電装の制御に使われる。ECUは当初はエンジン制御を主目的として搭載され、その後、駆動系、ボディ系、安全系、マルチメディア系(情報通信系)など、さまざまな電装システムの制御に使われるようになりました。近年の自動車には10〜70ほどのECUが搭載され、これらは車載LANによってネットワーク化されるようになっています。

EMC

electromagnetic compatibility
電磁環境適合性。電子機器が雑音を発生して他の機器に妨害を与えたり、逆に他の機器による雑音のために誤動作したりしないこと。他を妨害するものがEMI(電磁妨害)であり、外部雑音に対する強さがイミュニティ(耐雑音障害性)である。
→EMI

EMI

electromagnetic interference
電磁妨害または電磁干渉。電子回路から導線を伝わる信号が電磁波となって空中に飛び出したり、電源ラインや接地ラインに信号が漏れたりする。これが他の電子回路に侵入して誤動作や障害を起こすこと。電子機器の性能に障害を与える電磁エネルギーのことをいう場合もある。
→EMC

EOT

equivalent oxide thickness
酸化膜換算膜厚。実際の物理的な膜厚を、SiO2の酸化膜厚に換算した値のこと。例えば、絶縁膜としてSiO2よりも誘電率の高い膜(High-k膜)を使うと、物理的な膜厚が大きくでき、リーク電流を減らすことができる。一方、その膜厚をSiO2に換算すると、微細化のスケーリング則に応じた薄膜化を実現したことになる。
→SiO2、High-k、スケーリング則

erasable and programmable read only memory
記憶内容が電気的に書き込み可能で、紫外線を当てて消去が可能な不揮発性メモリ。紫外線を照射するために、ICパッケージには石英ガラスの窓がある。記憶の消去は全ビット一括。窓のない通常パッケージに実装したものをOTPROM(One Time PROM)という。
→EEPROM

EUV

extreme ultra violet
極端紫外線。光の中で紫より短い波長の光を紫外線と呼ぶ。大気によって吸収されはじめる波長200nmから0.2nmの波長域を真空紫外(VUV)域、透明な固体結晶がなくなる105nm以下の波長域を極端紫外(EUV)域と呼ぶ。0.2 ~ 30nmは軟X 線域とも呼ぶ。EUVリソグラフィは、波長13nm の極端紫外線を用いて縮小投影露光を行う。
→リソグラフィ

EV

electric vehicle
⇒電気自動車

F

FA

factory automation
コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化する総称的な概念。また自動化に使われる機器のことをいう。

FCV

fuel cell vehicle
⇒燃料電池自動車

frequency division multiple-access
周波数分割多元接続。各周波数帯域を各局(またはチャネル)ごとに割り当てて、複数の局が同時に通信する方式。
→CDMA、TDMA

FED

Field Emission Display
ミクロン以下の微小電子源を複数個使って、ひとつの画面を発光させることにより画像を表示する次世代ディスプレイの一種。ブラウン管と同じ原理で、薄型、大画面が可能で自発光が特徴。

FET

Field Effect Transistor
ゲート電極に電圧をかけチャネルの電界により電子または正孔の流れにゲートを設ける原理で、ソース・ドレイン端子間の電流を制御する電界効果トランジスタのこと。

FeliCa
「Felicity」と「Card」を組み合わせた造語(登録商標)。非接触型ICカードのための通信技術として開発された。電源はリーダライタからの電波を電磁誘導によって得る。信号の変調方式はASK(10%)で、マンチェスタ(Manchester)符号を採用している。
→ICカード

ferroelectric random access memory
FRAMともいう。強誘電体メモリまたは強誘電体不揮発性メモリ。電界を加えなくても電荷が残る(自発分極)性質をもつ強誘電体をメモリセルに利用した不揮発性RAM。電源を切ってもデータ内容を保持できる。EEPROMと比較してデータの書き換え時間は短く、書き換え可能回数も桁違いに多い。

FIB

focused ion beam
集束イオンビーム。イオンビームと試料の相互作用によって顕微鏡、加工(研磨)、堆積(デポジション)、イオン注入などの機能を実現する。イオン源にはガリウム(Ga)などがある。たとえば、ビーム径を5 ~ 10nmに集束させた装置は、フォトマスクのパターン修復やIC の不良個所の解析、高分解能観察、MEMSなどの微細加工などに利用されている。
→MEMS、イオン打ち込み、イオンビーム

FIT

failure in time
信頼性を表す尺度。故障率の単位。1FITは、1時間当たり10億個に1個の故障発生率、または1万時間(約1年間)当たり10万個に1個の故障発生率に相当する。1FIT=10-9(件/時間)。

floating-point operations per second
1秒間に処理できる浮動小数点演算回数を示す単位。通常は100万回単位(MFLOPS)で示す。10億回(GFLOPS)を単位にすることもある。
→ BOPS、MIPS、MOPS、浮動小数点

field programmable gate array
PLD(Programmable Logic Device)の一つ。ユーザが手元でプログラム可能なセミカスタムIC。CPUやDSP、無線アクセス用のトランシーバを内蔵した製品などもある。開発期間が短くできるので、試作品だけでなく、最終製品にも利用されている。プログラム可能な論理モジュールを規則的に並べ、その間を結線(プログラム)することで論理回路を実現する。プログラムの方法は、SRAMセル方式、EPROM方式、アンチフューズ(導通フューズ)方式、フラッシュEEPROM内蔵方式がある。
→PLD

G

Gallium Arsenide integrated circuit
ガリウムひ素(GaAs)単結晶を基板としたIC。GaAsは、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体の代表的な材料で、結晶内の電子の動き(移動度:Mobility)がシリコン(Si)に比べて5 ~ 6 倍も速く、超高速・超高周波デバイスに適している。

GaN

Gallium nitride
窒化ガリウム。Siと比較して破壊電界強度が約10倍、飽和ドリフト速度が2倍以上となり、高耐圧化、低損失化、高周波動作などの面で物理的に従来のSiよりも優れる性質をもつ。

GMR

giant magnetoresistance
巨大磁気抵抗効果。HDDヘッドに広く使われている。磁場をかけたときの電気抵抗変化(磁気抵抗効果:MR)が従来の単体物質に比べて大きく変化することから命名された。基本構造は強磁性体―常磁性金属―強磁性体の多層膜。
→MRAM、TMR

GPS

global positioning system
全地球測位システム。地球上の現在位置を調べるための衛星測位システム

GUI

graphical user interface
文字やテキスト情報だけでなく、図やイメージをなどを利用してユーザの操作性を向上させるインタフェースのこと。

H

HBT

heterojunction bipolar transistor
SiGeとSi、GaAsとAlGaAsなど異種の半導体接合(へテロ接合)を利用したバイポーラ・トランジスタの素子構造の一つ。電流増幅率を落とさずに動作速度を向上することができるため、携帯電話機や無線LANのパワー・アンプなどに用いられる。

high electron mobility transistor
高電子移動度トランジスタ。ガリウムひ素(GaAs)などの化合物半導体をヘテロ接合(2種類の異なった半導体材料の接合)し、その接合面を電子が高速移動する性質を利用した超高速トランジスタ。シリコン(Si)を使った半導体よりはるかに動作速度が速い。衛星放送受信機、携帯電話などの高周波増幅素子などに使われる。

HEV

hybrid electric vehicle
ハイブリッド自動車のこと。エンジンとモータの2つの動力源をもち、それぞれの利点を組み合わせて駆動することで、低燃費(省エネルギーと低公害)を実現する。

 high-dielectric-constant film
高誘電率膜。SiO2などに比べて非常に大きい誘電率をもつ誘電体薄膜。微細化が進むIC の小型キャパシタやメモリセルの材料として開発が進んでいる。ハフニウム(Hf)系材料などがある。

high temperature poly-silicon
高温で作成した多結晶シリコン。TFT(Thin FilmTransistor:薄膜トランジスタ)を形成するシリコン薄膜を、比較的高温で多結晶化することで、電子の移動度(モビリティ)を高めることができる。プロジェクタに用いられるアクティブマトリクス駆動方式の透過型LCD(液晶ディスプレイ)に採用されている。
→LTPS、TFT

I

input output buffer information specification
半導体デバイスの入出力バッファの電気的特性を、パッケージの電気的特性を含めてモデル化したもの。基板設計のためのシミュレーションモデル。バッファ回路をモデル化し、その動作特性をテーブルで表現している。個別の回路素子の特性と素子間の接続を表現するSPICEに比べて、高速に解析ができる。
→SPICE

ICE

in-circuit emulator
マイコン(MPU)を搭載したシステム(機器)の開発時に、ソフトウェアのデバッグとハードウェアの動作確認を行う装置。MPUの機能をホストコンピュータからエミュレート(模倣動作)することでデバックを行なう。
→エミュレーション

IC(integrated circuit)card
ICを埋め込んだカード。電気的な接点をもつ接触型と、接点のない非接触型とがある。
→ISO/IEC7816、 ISO/IEC14443

ICソケットとは、IC、LSIなどを抜き差しできるソケットのこと。ICの各種パッケージとピン配列に対応した品種があり、基板にはんだ付けして使用する。回路の試作時や、ICの交換・変更の可能性があるなど、ICを基板に直接はんだ付けしたくない場合に用いられる。

Idd quiescent
CMOS回路の製造工程で発生した欠陥を検出する手法。理想的なCMOS回路は、静止時に電源電流(Idd)が流れないという性質を利用した手法で、IC内部の論理を切り替えながらリーク電流を測定し、故障検出を行なう。

IDM

integrated device manufacturer
垂直統合型半導体メーカ。自社で製造設備を有し、設計、製造、販売、サポートまでを一貫して行う半導体メーカの形態。

insulated gate bipolar transistor
パワーデバイス分野の代表的素子で、MOS FETとバイポーラトランジスタを組み合わせて1 チップにした素子。絶縁ゲート型バイポーラトランジスタともいう。MOS FET でバイポーラトランジスタを制御する構造であるため、MOS FET の大電力制御などの両方の特長を兼ね備えており、汎用モータやインバータ制御機器などのスイッチング素子として用いられる。

IIL

integrated injection logic
I2L(アイスクエアエル)ともいう。バイポーラロジックIC の一つ。横型pnpトランジスタと逆接続のnpnトランジスタがn 領域とp 領域を共有した構造。ゲート占有面積が小さく、素子を分離する必要がないために比較的高集積化が可能である。アナログデジタル混在回路内蔵バイポーラIC のデジタル部に使用することが多い。
→アナデジIC、ミックスドシグナル

IP

intellectual property
設計資産。本来は「知的財産権」(IPR:IntellectualProperty Right)の意味だが、これと区別するため、半導体分野ではCPU やメモリ、信号処理回路などICを構成する機能ブロックを「IP」(設計資産)と呼ぶ。IPにはその機能ブロックのハードウェア(論理回路図、ICレイアウト図など)、およびソフトウェア(ドライバソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェアなど)がある。ハードウェア回路を「半導体IP」、ミドルウェアなどのIPを「ソフトウェアIP」ということもある。動作が確認されている既設計の回路ブロック(半導体IP)を利用すると、新たに回路を設計するよりも効率的で設計期間が短縮できる。
→IPプロバイダ、VCX

IPC

instructions per cycle
CPUにおいて、1クロック当たりの命令実行数。

IP provider
半導体IP(Intellectual Property:設計資産)の設計だけを専門に行い、これをICメーカなどへ供給する業態の企業。
→IP

ISO

International Organization for Standardization
国際標準化機構。国際的標準化を推進する代表的な国際機関の一つで、設立は1947年。

ISS

instruction set simulator
命令セットシミュレータ。コンピュータやマイクロプロセッサ上でコンパイルされたオブジェクトコードを実行し、命令の実行結果や実行に要したサイクル数、レジスタファイルやキャッシュの状態などをシミュレーション(検証)するもの。

ITS

intelligent transport system
高度道路交通システム。道路交通の情報化によって、安全、円滑、そして人と環境にやさしい道路交通を目指す。その技術の基本は自動車とインフラ側との対話による双方向通信。すでに自動車に直接情報を送る道路交通情報提供システム(VICS)、有料道路での自動料金収受システム(ETC)などが実用化されている。
→DSRC、ETC

ITU

International Telecommunication Union
国際電気通信連合。無線通信と電気通信分野において国際標準の策定を目的とする、国際連合の専門機関の一つ。無線通信部門(ITU-R)、電気通信標準化部門(ITU-T)、電気通信開発部門(ITU-D)に分かれる。

J

Joint Test Action Group
JTAGテスト規格。デバイスの全ての外部入出力ピンを順次走査してテストデータの入出力を行い、デバイスの内部やプリント回路基板の動作を試験する。デバイスごとに、入出力端子やテスト用制御回路を設ける必要があり、その規格を規定している。1990年にIEEE1149.1として標準化されている。

K

KGD

known good die
テスト・信頼性工程を経て、良品のICチップであることが確認済みの、品質保証されたベアチップのこと。
→チップ、ベアチップ

L

liquid crystal on silicon
プロジェクタなどに用いられる小型の反射型液晶デバイスの構造の一つ。シリコン基板と対向する透明基板の間に液晶を挟みこむ。シリコン基板側に駆動回路と画素電極を設ける。透明基板と液晶層を通過した光は、画素電極で反射される。画素電極の下に回路が作られているため、開口率が高い。

LDD

lightly doped drain
MOS FET構造の一種。ソース・ドレイン領域で、ゲート端のチャネル近傍の拡散層の不純物濃度を比較的低濃度に形成した構造。低濃度の部分を設けることで、チャネル層内への空乏層の拡がりを抑え、実効的なチャネル長を長くできる。この結果、電界集中が緩和でき、リーク電流やホットキャリアの発生を抑えることができる。
→ホットキャリア

LDO

low drop-out regulator
シリーズレギュレータの一種。入出力電圧差の小さい定電圧直流電源で、携帯機器などに使われる。パルス変調によって電力を制御するスイッチングレギュレータと比べて、リニアに電流電圧を制御するため電源リップルが小さく、また回路電流(回路消費電流)が小さい、回路規模が小さい、外付け部品点数が少ないなどの特長をもつ。一般的に、動作中の回路消費電流においてスイッチングレギュレータが数百μA~数mAに対し、出力パストランジスタとしてMOSタイプを使うと数μAオーダーでの動作が可能。ただし、スイッチングレギュレータの損失がおよそ10%に対し、LDOでは電池電圧と出力電圧の差に応じて電力消費が発生するため、出力電圧、負荷電流によってはスイッチングレギュレータなどとの使い分けが必要。

LED

light emitting diode
⇒発光ダイオード

LER

line edge roughness
微細加工工程において、フォトリソグラフィ現像後やエッチング加工後のパターン側壁端部が凹凸状になり、本来所望の直線形状からずれてばらつく現象。プロセス管理上だけでなく、デバイス特性へも悪影響を与える一要因であり、トランジスタ形成工程と、ヴィアを含む配線工程で問題となる場合が多い。

LIN

local interconnect network
車載LANの通信プロトコルの一種。スイッチ入力、センサ入力、アクチュエータ制御など主にボディ系に採用されている。LINコンソーシアムが規格化した。
→CAN、MOST

local oxidization of silicon
シリコンIC内の素子間分離に使われる局所酸化膜技術。窒化膜(Si3N4)でIC 素子を作る領域を覆い、高温酸化処理をすると、窒化膜のない領域に酸化膜が作られる。この酸化膜がLOCOSと呼ばれ、隣接素子間の分離に使用される。素子間の距離を短くでき、高集積化に非常に有効な技術である。

low-dielectric-constant film
低誘電率膜。主に層間の絶縁に使う。ICで最も広く用いられている絶縁膜である二酸化シリコン(SiO2、比誘電率が約4)膜より低い比誘電率をもつ膜の総称。多層配線による信号遅延の問題を避けるため、層間絶縁膜として有機物やポーラス(多孔質)材料まで含めてさまざまな材料、薄膜が開発されている。
→High-k

M

MCM

multi-chip module
同一基板上に2 個以上のICが実装され、そのうち少なくとも1 個はベアチップを使用した機能モジュール。
→ベアチップ

MCP

multi-chip package
一つのパッケージに複数のIC チップを搭載したパッケージ。異なる種類のチップや、同種のチップを搭載することによって、実装面積の削減が可能となり、デバイスの大容量化や高機能化が実現できる。
→SiP

micro electro-mechanical system
欧州ではMST(Micro System Technology)とも呼ぶ。シリコンプロセスで培われた微細加工技術を用いて作製された、可動部を含む微小機械システムの総称。電子回路を搭載したものもある。圧力センサ、光通信部品、医療・バイオチップなど幅広い分野で応用されている。

multiple input multiple output
無線通信で、送受信をそれぞれ複数のアンテナを用いて空間多重伝送によって高速化を実現する技術。分割したデータを同一の周波数を使って、同時に複数の無指向性アンテナから送信する。送られてきた情報は複数のアンテナで受信し、これを連結する。複数のアンテナで受信することで、安定した通信が可能になる。データ伝送速度100Mビット/秒以上を実現する次世代無線LAN 規格「IEEE802.11n」への採用が予定されている。 → IEEE802.11規格、無線LAN

million instruction per second
コンピュータやマイクロプロセッサの性能を表す単位。1 秒当たりの命令実行回数を100 万回の単位で表現したもの。

monolithic microwave integrated circuits
モノリシックのマイクロ波集積回路。マイクロ波能動・受動素子および素子間を結ぶ配線をガリウムひ素(GaAs)やシリコン(Si)などの半導体基板上に集積化したもの。能動素子としては、主にGaAs MES FET(ショットキーゲート電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)およびHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)が使われる。

metal organic-chemical vapor deposition
有機金属化学的気相成長法。蒸着したい金属を炭化水素基と結合させ(有機金属)、気化や輸送を容易にする。反応チャンバ内で、プラズマや熱などで反応性ガスを励起し、化学反応を促進する薄膜成長法。

million operation per second
デジタル信号処理を行うプロセッサなどの性能指標に用いられる単位。1 秒間に実行できる処理の基本単位の数を示す。million = 100 万。なおBOPSのbillionは10億。

MOS

metal-oxide-semiconductor
金属酸化膜半導体のこと。シリコン基板などの半導体表面に、酸化膜を介して金属(ゲート)を設けた、金属-酸化膜-半導体の構造。MOS IC の基本トランジスタ構造である。ソースからドレインに移動するキャリアの量(ソースとドレイン間のチャネル電流)を、絶縁体を介してゲート電圧で制御する。なお、MOS 構造を容量(キャパシタ)として使ったのが、DRAMの記憶キャパシタである。

MOS field effect transistor
MOS 型電界効果トランジスタ。ソース、ゲート、ドレインの3 電極があり、ゲート電極に加えた電圧によってソースとドレイン間のチャネル電流を制御する。MOSFETにはn型MOS FETとp型MOS FET の2 種類がある。バイポーラトランジスタに比べてチップ内のデバイス占有面積が小さく、製造工程が短いので高集積化に適している。

media oriented systems transport
オーディオなど情報系の車載ネットワーク・プロトコル。欧州車を中心に採用されている。POF(プラスチック光ファイバ)またはUTP(Unshielded Twisted Pair:銅線ケーブル)で伝送する。ストリーミングとパケット、コントロールの3種類のデータタイプに対応し、最大で50Mビット/秒の伝送速度が可能である。
→CAN、LIN、FlexRay

MPU

microprocessing unit
マイクロCPUあるいはマイクロプロセッサともいう。マイクロコンピュータの中央演算処理装置(CPU)をIC化したもので、演算や制御機能をもつ。並列処理を行うビット数を付けて「16ビットマイクロプロセッサ」などとよぶ。8ビット、16ビット、32ビット、64ビットのマイクロプロセッサなどがあり、最近は128ビットも製品化されている。命令方式にはCISC、RISC、VLIWがある。
→CPU、CISC、RISC

magnetic random access memory
磁気不揮発性メモリ。磁気抵抗効果をもつGMR(Giant Magnetoresistance:巨大磁気抵抗)膜やTMR(Tunneling Magnetoresistance:トンネル型磁気抵抗)膜を記憶素子に用いた不揮発性メモリ。GMR やTMR 膜は、スイッチング磁界によって電気抵抗値が大きく変化する。この現象を利用して、電流の切り替えによって発生する磁界をスイッチすることで“0”“1”の状態を実現する。
→GMR、TMR

mean time between failure
平均故障間隔。故障するまでの動作時間の平均をいい、総動作時間をその期間の総故障数で割った値で示す。機器や電子部品の信頼性を表す尺度の一つで、この値が大きいほど、製品の信頼性は高いといえる。故障率はこの値の逆数になる。
→FIT、MTTF、故障検出率

mean time to failure
平均故障寿命。修理しない機器や電子部品の故障までの動作平均値をいう。
→FIT、MTBF、故障検出率

N

NAND-type flash memory
フラッシュメモリの一種。メモリセルの構造が、ビット線に直列に接続された単純な構造のため、NOR型に比べて集積度を上げやすい。データ格納用の大容量メモリとしての用途が多い。
→NOR型フラッシュメモリ

Nickel-Cadmium rechargeable battery
二次電池の一種で、正極に水酸化ニッケル、負極に水酸化カドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液(苛性カリ・KOH aq.)を用いたアルカリ蓄電池。ニカド電池(JIS名称)、ニッカド電池、カドニカ電池(三洋電機の商標)とも呼ばれる。
→NiMH(ニッケル水素蓄電池)、 リチウムイオン電池

nickel metal hydride battery
正極にニッケル、負極に水素吸蔵合金を用いた二次電池。Ni-Cd蓄電池に比較して電力容量が高く、カドミウムを使用しないために環境問題も回避できるという特長がある。課題はNi-Cd蓄電池に比べて製造コストが高いこと。また当初、NiMHはメモリ効果はほとんどないとされていたが、実際にはメモリ効果が起こることが報告されている。
→Ni-Cd蓄電池、リチウムイオン電池

n-channel MOS
n 型(nチャンネル)MOS EFTの略称。基板がp型で構成され、ソースとドレイン部がn 型に作られたMOSデバイス。ソースとドレイン間のチャネル電流が電子(エレクトロン)によって運ばれるので、pMOSより高速である。
→MOS、pMOS

NOR-type flash memory
フラッシュメモリの一種。メモリセルの構造が、DRAMと同じように並列接続のため、ランダムアクセスが可能。NAND型に比べて高速アクセスが可能で、プログラム格納用メモリとしての用途が多い。
→NAND型フラッシュメモリ

n型半導体(エヌがたはんどうたい)とは、電荷を運ぶキャリアとして自由電子が使われる半導体である。負の電荷を持つ自由電子がキャリアとして移動することで電流が生じる。つまり、多数キャリアが電子となる半導体である。 例えば、シリコンなど4価元素の真性半導体に、微量の5価元素(リン、ヒ素など)を不純物として添加することで電子が一つ余分に生じる。この余剰の電子は伝導帯のすぐ下にあるドナー準位に収容され、このドナー準位と伝導体のバンドギャップは小さいためドナー準位の電子は熱的、光エネルギーを加えることにより電子が伝導帯に励起され自由電子となり、電気伝導性を与える。

O

opto electronic integrated circuit
光電子集積回路。光素子と電子素子を同一基板に集積したIC。半導体材料で作られたモノリシック回路であり、一つ以上の発光素子あるいは受光素子と、電気信号を処理する回路を集積したもの、またはこれらの3 者を集積したものを指す。光ファイバ通信の送信用、受信用、中継器用あるいは光ディスク用半導体レーザモジュール(駆動回路内蔵)などがある。

OEM

original equipment manufacturing
他社のブランドの製品を製造すること。

OTP

one time programmable ROM
ワンタイムPROM。一度しか書き込みができないタイプのプログラマブルROM。ROMライタ/専用ライタで簡単に書き込める。プログラム開発のデバッグ用、試作用に使われている。
→EEPROM、EPROM、PROM

P

PAN

personal area network
約10m 以内の狭い範囲内のネットワーク。主に個人が身に付けている電子機器同士で通信を行う。無線ではBluetoothやUWBなどがある。
→Bluetooth、UWB、 ZigBee

PCM

pulse code modulation
パルス符号変調。パルス変調の一方法。音声信号などの波形振幅(アナログ量)をサンプリング(標本化)および量子化し、それぞれのサンプル値を2 進数表現の時系列(パルス列)で表わすデジタル表現。その発展形として、各サンプル値の差異に着目して波形を表現するADPCM(adaptive differential pulse code modulation:適応型差分パルス符合変調)方式がある。

PGA

pin grid array
挿入実装型パッケージの一つ。下面全面にピンが格子状に配列されている。

plug-in hybrid car
外部充電端子を装備したハイブリッド自動車。通常のハイブリッド自動車より 大容量の充電池を搭載し、モータだけで走行可能な距離を格段に増やしている。
→HEV

PLC

power line communication
電灯線通信技術。電力線搬送通信ともいう。電気の配線(電灯線)を通信回線として利用する技術。電灯線に重畳する搬送周波数が10kHz~450kHz では、データ通信速度が9600ビット/秒と遅い。しかし、2MHz~ 30MHz の高周波を使い、数十M ~ 200Mビット/秒のデータ通信を可能にする高速電力線搬送通信(高速PLC)が実現されている。

PLD

programmable logic device
ユーザが論理内容を後から設定できるセミカスタムIC。超短納期、少量多品種生産の点で優位性がある。AND ゲート群とOR ゲート群を組み合わせて任意の論理回路を構成する。プログラムデータはSRAM セルもしくはEPROMに保持される。論理回路の構成の仕方によってFPGA、PLA、CPLD、FPL、PALとも呼ばれる。
→FPG

PLL

phase-locked loop
位相同期ループ。正確な周波数追尾を行うためのサーボ回路機構で、位相比較器、ローパス(低域通過)フィルタ、電圧制御発振器(VCO)で構成されている。ビデオのモータなどの精密回転制御、通信機などの変復調、放送受信機などの民生機器に多く利用されている。

p-channel MOS
p型(pチャンネル)MOS FET の略称。基板がn型で構成され、ソースとドレイン部がp型に作られたMOS デバイス。チャネル電流は正孔(ホール)によって運ばれる。nMOS に比べて速度が遅いので、単独では高い出力電圧が必要な場合など特殊な用途に使われる。
→nMOS

p型半導体(ピーがたはんどうたい)とは、電荷を運ぶキャリアとして正孔(ホール)が使われる半導体である。正の電荷を持つ正孔が移動することで電流が生じる。つまり、正孔が多数キャリアとなる半導体である。 例えばシリコンなど4価元素の真性半導体に、微量の3価元素(ホウ素、アルミニウムなど)を添加することでつくられる。不純物半導体に含まれる。

pn junction
同一結晶中で一方がp型、他方がn型の構造を有する半導体の接合。

ppm

parts per million
微量含有物の存在比率を表す単位で、100万個に1個の割合を示す。なお、ppbは10 億分の1個の割合。

programmable read only memory
プログラム可能な読み出し専用メモリ。不揮発性メモリの一つ。IC完成後に外部から電気的に記憶情報を書き込めるタイプの読み出し専用メモリ。種類として、EEPROM(E2PROM)、EPROM、OTPなどがある。
→EEPROM、EPROM、OTP

PSK

phase shift keying
位相偏移変調。搬送波の位相を入力デジタル信号の内容に応じて変化させ、デジタル情報を伝送する。搬送波に対する変調波の位相数に応じて2相PSK(BPSK)、4相PSK(QPSK)、8相PSKなどがある。FSK(Frequency Shift Keying)方式やASK(Amplitude Shift Keying)方式などに比べて同じC/N(Carrier/Noise)比に対する符号誤り率が小さい。
→QAM、 QPSK

PVD

physical vapor deposition
物理的気相成長法。物理的手段(たとえばスパッタリングなど)を用いて材料物質を堆積させる成膜法。これに対するものが化学的気相成長法(CVD)。
→CVD、気相成長、スパッタリング

Q

QAM

quadrature amplitude modulation
直交振幅変調。位相と振幅の両方に情報を載せるデジタル変調方式。4 相PSK(QPSK)の変調振幅を2値にしたもの。PSKより電波の利用効率が高い。
→PSK、QPSK

QFP

quad flat package
表面実装型パッケージの一つ。パッケージの4側面すべてからリード端子が出ているタイプ。

quadrature phase shift Keying
4相位相偏移変調。4 つの位相(たとえば0度、90度、180度、270度)を用い、2ビットのデジタル信号を1シンボル期間に伝送する。直交する搬送波を用いて2つのBPSK 波をつくり、それらを合成することでQPSK波を得ることができる。
→PSK、QPSK

R

RAM

random access memory
随時書き込み読み出しメモリ。情報を任意のメモリセルに任意の順序で記憶することができ、また任意のメモリセルから同じ速度で記憶情報を読み出すことができる。定期的にリフレッシュ動作が必要なダイナミックRAM(DRAM)や電源を切るまで記憶情報を保持し続けるスタティックRAM(SRAM)などがある。
→DRAM、SRAM

RCA cleaning
米国RCA社によって開発された、IC製造工程における代表的なシリコンウェハ洗浄法。

RET

resolution enhancement techniques
解像度向上技術。フォトリソグラフィ工程における微細パターンの忠実性を確保するため、位相シフトマスク(PSM)や光学近接効果補正(OPC)などの技術が用いられているが、これらを指す言葉として総称的にRETと表現される場合が多い。
→リソグラフィ、位相シフトマスク、光学近接補正

radio frequency identification
⇒無線タグ

RIE

reactive ion etching
反応性イオンエッチング。ドライエッチングの一つ。加速イオンによる物理的作用と被エッチング材との化学的作用の両方をエッチングのメカニズムに利用している。
→エッチング

Rambus in-line memory module
Rambus DRAMを搭載したメモリモジュール。DIMMに似た形状だが、内部の回路などは全く互換性がない。電圧は2.5Vで、端子数は184ピン。
→ラムバスDRAM

reduced instruction set computer
縮小命令セットコンピュータ。CPU の命令を最小限に抑えてハードウェアの負担を軽減し、高速動作を追求したコンピュータ。命令セットは使用頻度の高い基本命令に限定し、命令語長の統一、各命令を同じサイクル時間で実行できるなどの手法をとる。高いMIPS 値が得られる一方で、コンパイラなどソフトウェアへの負担は重くなる。
→CISC

Directive of the Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances
電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州指令。2006年7月1日に施行。鉛、水銀、六価クロム、カドミウム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジビフェニルエーテル(PBDE)の電気電子機器での含有が制限されている。、均質材料中の鉛、水銀、六価クロム、PBB、PBDEは、重量比0.1%、カドミウムは重量比0.01%が最大許容値である。均質材料とは、機械的に異なる材料に分離できないことをいう。この指令には、除外用途が設定されている。

ROM

read only memory
読み出し専用メモリ。電源を切っても記憶した情報が消えない特徴をもつ。マイクロプログラム、文字パターン、定数などの内容が変化しない情報を記憶するのに使用される。ユーザが情報を自由に書き込めるプログラマブルROM(PROM)と製造工程で書き込み内容が固定されるマスクROMに大別される。
→PROM、マスクROM

resisitive random access memory
電圧パルスの極性によって抵抗値が変化するマンガン系酸化物などを用いた不揮発性メモリ。高抵抗状態と低抵抗状態を“1”“0”に対応させる。

RTL

register transfer level
レジスタ伝送レベル。HDL(Hardware DescriptionLanguage:ハードウェア記述言語)でハードウェアを記述する抽象レベルの一つ。論理回路をレジスタ間の動作として表現する。ICの設計階層の中で、ゲートレベルよりも上位の記述レベル。記述言語としては、Verilog HDLまたはVHDLを使うことが多い。このほか、RTLよりも抽象度が高いビヘイビアレベル、回路情報に近いゲートレベルがある。
→Verilog HDL、VHDL

S

圧電セラミックスの振動にともなう表面波(SAW)を利用した高周波用フィルタ。テレビや携帯電話の高周波回路などに利用されています。

SDF

standard delay format
EDAツール間で取り扱う遅延情報の標準フォーマット(タイミングデータ形式)。ツールや言語から独立した表現(ASCII データ)。素子の遅延時間に加えて、パスの遅延時間や遅延時間の制約条件、配線遅延時間なども扱うことができる。

SDR

software defined radio
ハードウエアに変更を加えることなく、1台の無線機のソフトウェアを書き換えることで、携帯電話、PHS、無線LANなど、複数の異なる通信方式の切り替えを可能にする無線通信技術。

serializer / deserializer
パラレルをシリアルに変換、またシリアルをパラレルに変換するインタフェース回路のこと。

SiC

silicon carbide
炭化ケイ素。Siと比較して破壊電界強度が約10倍、飽和ドリフト速度が約2倍、熱伝導度が約2倍で、高温にも強い。高耐圧化、低損失化、高温時の安定動作などの面で物理的に従来のSi半導体よりも優れた性質をもつ。

silicon germanium
シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)の固溶体である混晶半導体。Siより禁制帯幅が狭く、電子移動度が大きい特長をもつ。また、シリコンバイポーラトランジスタと比べてより高速動作が可能である。

single instruction multiple data
単一命令複数データ処理。一つの命令で複数のデータを同時に処理する方式。例えば一つの加算命令で2つのデータ組(A1、A2)、(B1、B2)の要素同士の加算A1+B1、 A2+B2を同時に処理することで性能向上する方式。データ組(A1、A2)、(B1、B2)はそれぞれ一つのレジスタ上に分割して配置され、データ並列度は2~8のSIMD方式が実用化されている。

single in-line memory module
DRAMなどを複数個を基板に実装したJEDEC規格のメモリモジュール。32ビット単位でデータの読み書きを行い、表と裏の端子は結線されている。PC-AT互換機では、72ピンの32ビットデータ幅が使われている。
→DIMM、JEDEC

SiP

system in package
パッケージの中に所望のメモリやマイコン、受動部品を複数搭載し、内部を三次元的に接続することで所望のシステムを実現したもの。
→MCM、MCP

SMD

surface mount device
表面実装型部品。SMTと同義語で使われることがある。
→SMT

standard of mechanical interface
ウェハカセットの搬送・保管用のケース(ポッド)。この中に収納したウェハはクリーン度を保つことができる。高度なクリーンルーム内でなくてもICの製造(前工程)が可能になる。このため「局所クリーン化技術」ともよばれる。
→FOUP、クリーンルーム

SMT

surface mount technology
面実装技術。基板表面に電子部品やICを実装する技術。部品のリード(端子)を基板に挿入しない。電子機器の小型、軽量、薄型化に対応する。これに対応した部品を面実装部品(SMD:Surface Mount Device)という。
→SMD

SMT

simultaneous multi threading
一つのCPU で、複数の実行スレッドを同時に実行するプロセッサの機能。

SoC

system on a chip
⇒システムLSI

SOG

sea of gate
自由にゲート領域と配線領域を構成できる構造のゲートアレイ。チップ全面にトランジスタを海のように敷き詰めているので「Sea of Gate」あるいは「チャネルレス型ゲートアレイ」と呼ばれている。RAM やROMを効率よく内蔵し、ランダム論理だけでは回路が構成しにくい大規模回路などに利用される。
→ゲートアレイ

SOI

silicon on insulator
シリコン酸化膜(SiO2)などの絶縁膜の上にSi層を形成した構造。そこにICをつくる。サファイアの表面にシリコン単結晶を気相成長させたSOS(Silicon onSapphire)が最初の試み。サファイア基板上の薄膜Si 層をレーザ光などで単結晶化し、ICを作り込む。このほか、酸化膜を介してSi基板同士を貼り合わせる方法や、Si単結晶基板に酸素イオンを打ち込みSiO2層を形成するSIMOX( Separation by Implanted Oxygen)法などが実用化された。SOIデバイスは低消費電力、高速動作に適している。

simulation program with integrated circuit emphasis
IC用の回路シミュレータ。1975 年に米University of California、Berkeley校で開発された汎用回路解析(アナログ)プログラム。トランジスタ、抵抗、コンデンサなど対象回路を構成する素子レベルの回路情報をもとに、その回路の挙動をシミュレーションする。解析手法には、直流(DC)解析、交流(AC)解析および過度解析がある。

static random access memory
スタテックRAM。記憶保持動作(リフレッシュ動作)が不要な随時書き込み読み出しメモリ。メモリセルがフリップフロップ回路で構成されており、一度書き込まれた情報は電源を切るまで消えない。SRAMは動作タイミングが容易で、高速性能も得られやすい。このため、高速を要求するキャッシュメモリや小型電子機器に使用される。メモリセルがDRAM 構造でリフレッシュ用の補助回路を内蔵した疑似SRAM(Pseudo SRAM)がある。
→DRAM

SSD

solid state disk、 solid state drive
記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置。

STA

static timing analysis
ICの設計工程で行なわれる静的なタイミング解析のこと。外部からのテストパターンを必要とせず、想定しうる全ての信号伝達経路の遅延を足し合わせることによって、遅延時間が最大となる径路(クリティカルパス)や最小となる径路などを分析できる。これらがタイミング仕様を満足しているかどうかで設計を検証する。

STI

shallow trench isolation
素子分離方法の一種。シリコン基板表面にドライエッチングで溝を形成した後、CVDなどの工程によって絶縁膜を堆積し、それをCMPなどで平坦化して素子分離を行う技術。LOCOSに比べて分離領域を小さくすることが可能である。しかし、溝を形成する基板表面に欠陥を生じさせない工夫が必要。
→ドライエッチング、CVD、CMP、LOCOS

T

TAB

tape automated bonding
ICチップをテープキャリアに張り付けるIC 実装技術。IC上に形成したバンプ電極をテープキャリアのインナリードと熱圧着する方式。ICパッドを一括接続するギャングボンディング方式と1パッドずつ接続するシングルポイントボンディング方式がある。広義には、樹脂封止やテスティングも含める場合がある。
→TCP

TAT

turn around time
受注から製品供給までの所要時間(日数)のこと。TAT 短縮は、設計・製造などあらゆる部門で合理化目標の一つとして追及されている。

TCP

tape carrier package
IC チップをテープフィルムと接続し、樹脂で封止するTAB(tapeautomated bonding)技術を用いたパッケージ。TCPはプラスチックパッケージに比べて多端子・薄型化が可能である。
→TAB

TEG

test element group
特性評価用素子。ウェハ上にチップと同様に作ることが多い。

TFT

thin film transistor
薄膜トランジスタ。ガラスなどの絶縁基板上にCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)技術やスパッタリング技術で形成したトランジスタ。構造は通常のMOSトランジスタと同じ。シリコン単結晶を用いる通常のトランジスタやICと区別するために薄膜トランジスタと呼ぶ。薄膜にはアモルファスシリコンや多結晶シリコンが使われる。単結晶シリコンに比べて移動度は小さい。しかし、大面積化が可能といった利点を生かして、LCD の画素スイッチなどに使用される。最近ではペンタセンなど有機材料を用いた有機TFTも開発されている。
→CVD、HTPS、LTPS

TLM

transaction level modeling
IC設計の中の抽象度が高いレベルのシミュレーションモデルの一つ。機能ブロックを入出力端子間の読込み/書込み動作(トランザクション)の精度で表現することで、RTLよりも高速なシミュレーションを行うことができる。

TSV

through-silicon via
パッケージ内に、複数のチップを積層し封止するためのシリコン基板を貫通する電極(上下方向の配線構造:ヴィア)のこと。積層した半導体チップを貫通する孔を形成し、そこに銅などの金属を堆積して電極を形成することで、パッケージの基板部分まで短距離接続配線を行う。積層チップ間を最短距離で接続できることで、高機能・高速動作のICシステムの実現が可能となる。

U

UPS

Uninterruptible Power Supply
無停電電源装置。落雷などによる停電で電力がとだえたとき、瞬時にシステムに電力を供給してバックアップする装置。

ultra violet light lithography
⇒紫外線露光

V

v-groove MOS
縦型V 溝MOS FET。シリコン(Si)単結晶基板表面にV 型の溝を形成して、溝に沿ってゲート酸化膜およびゲート電極を設け、ソース電極を表面に、ドレイン電極を裏面に形成する。オン抵抗が小さいのが特徴。パワーMOS FETに利用される。

W

廃電気・電子製品(WEEE)に関する欧州連合(EU)の指令である。単に、WEEE(ウィー)とも呼ばれる。2003年2月にRoHS(ローズ)指令と共に公布・施行された。その後、2012.7.4改正した。 廃電子電気製品は、EUにおいて従来埋立処分されていた。埋立処分では、廃電子電気製品から有害化学物質が漏洩して、土壌や地下水や空気を汚染(環境汚染)すると同時に、埋立処分地が不足するようになってきた。そのため EUでは、廃電子電気製品に対してWEEE指令を施行して、廃電子電気製品を分別収集し、全ての液体と有害化学物質(RoHS規制物質とPCBおよびオゾン層破壊物質等指令付属書VIIに列挙)を廃製品から取り除き除去し環境汚染を防止し、リサイクルにより再資源化を行い埋立処分される廃製品量を削減するための規則である。 リサイクルに関しては、製品をカテゴリーで区分けし、製品各カテゴリーでリサイクル率とリカバリー率を規定して、それの達成を要求している。
 ●リサイクル率:分子に製品の再生と再資源化された質量割合
 ●リカバリー率は、分子に再資源化にエネルギ回収をたした質量割合
として、規定されている。なお 製品再生に関しては、製造者が把握していないので、製造者からの報告に製品再生量は、含まれていない。 再資源化は、リサイクラから処理業者へ処理費用を払うものもリサイクルとして認められている。
WEEE指令では、リサイクル容易な製品を開発することを製造者に要求しているが、製品個別のリサイクル性評価に関しては、規定がない。リサイクル性評価に関しては、ErP指令で行う予定になっているが、現時点では、ErP指令中にリサイクル性に関する評価規定が定められていない。 WEEE指令は、2003年2月13日に2002/96/ECとして公布され2003年8月13日から施行(通称WEEE1)、その後改訂版が2012年7月4日付けで2012/19/EU(WEEEⅡ)が交付され2012年8月13日から施行された。なお適用範囲は、2018年8月15日から附属書Iの10製品群から附属書IIIの6製品群に変更になった。

worldwide interoperability for microwave access
半径約50kmをカバーし、最大70Mビット/秒の無線データ通信を可能にする無線通信の規格。2003年1月にIEEEで固定無線通信の標準規格として承認された。使用周波数帯と伝送方式はIEEE802.16aを用いる(2G~11GHz)。

WiMedia
WiMedia Allianceが規格を策定、高速無線のUWB規格に準拠、ハイビジョン映像の無線伝送に対応している。伝送距離が5mで、480Mビット/秒の高速通信を実現している。
→UWB

World Intellectual Property Organization
世界知的所有権機関。本部はジュネーブにある。WIPOは、①全世界にわたって知的所有権の保護を促進すること、②知的所有権関係の諸同盟の管理を近代化し能率化するため同盟間の行政的協力を確保すること、を目的として、1967年に設立された。

wireless personal area network
無線を利用したPAN(Personal Area Network)のこと。無線免許が不要な60GHzのミリ波を利用した無線伝送の規格作りが進められている。標準化のためのIEEE802.15.3cWGが活動しており、応用例として、ハイビジョン映像の非圧縮伝送がある。

WSC

世界半導体会議。各国の半導体工業会が参加する会議の名称。1997 年から年1 回開催されている。

World Semiconductor Trade Statistics
1984 年に設立された『世界半導体市場統計』。世界の主要半導体メーカ66社(うち日本19 社。2008 年12月現在)が参加している半導体出荷データの統計機関。

WTO

World Trade Organization
WTO(世界貿易機関)は、自由貿易促進を主たる目的として作られた国際機関。常設事務局がスイスのジュネーヴに置かれている。

ア行

architecture
基本設計、設計思想のこと。語源は「建築」を意味する。ハードウェア、ソフトウェアを開発・設計する場合、その思想を構築していくさまが、建築物の設計に似ているところから、アーキテクチャという名称が用いられている。

携帯電話などの無線通信機器において、アンテナから入射する信号の一部は、内部回路で反射して逆流します。この逆流成分を分離(アイソレート)して除去し、回路を保護・安定動作させるのがアイソレータの役割です。ファラデー回転と呼ばれるフェライトがもつ電波の非可逆性の原理を応用したもので、アイソレータにはフェライト磁石の磁界と特殊なフェライトが使われています。

isolation
素子間分離。ICで同一基板内の各素子が干渉しあい悪影響をおよぼさないように、お互いを電気的に絶縁分離すること。LOCOSは代表的なものである。
 → LOCOS

access transistor
メモリICで、情報を記憶するメモリセルに対して、外部から情報を取り込んだり、外部への情報送出を行うトランジスタのこと。

物を動かしたり、制御したりする装置または機構のこと。

aspect ratio
横縦の比率。半導体の配線パターンでは、配線幅に対する配線の厚さ(高さ)の比率をいう。コンタクトホールでは、開口直径に対する開口深さの比率をいう。

assembly house
半導体製造におけるパッケージ組み立て工程だけを請け負う企業。組み立て工程に特化することで、組み立て技術、コストなどで優位性を発揮している。

ashing
灰化。IC のリソグラフィ工程で、フォトレジストを塗布・露光・現像し、エッチングなどのマスクとして利用した後に、不要となったフォトレジストを除去する場合、酸素プラズマなどで反応させ、除去する方法をいう。

piezoelectric device
ピエゾ素子。圧電効果を利用した素子。誘電体(絶縁体)またはセラミックの一種。圧電効果とは、圧縮や伸長によって誘電分極が起き、素子の両端に電位差を生じる現象またはこの逆の反応。圧電振動子(超音波発信器)、SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタ、加速度センサなどがある。

変位精度や応答速度にすぐれた圧電体の特性を利用したアクチュエータ。インクジェットプリンタのプリントヘッド、HDDのトラックを高精度で追従するための磁気ヘッドのサーボ機構のアクチュエータほか、超音波モータ、各種マイクロマシンなどへの応用も広がっています。

外力を加えると電圧が発生し(圧電効果)、電圧を加えると外形がひずむ(逆圧電効果)性質をもつ材料のこと。水晶(クォーツ)などの結晶ほか、ある種のセラミック材料にもみられ、圧電セラミックスと呼ばれます。交流電流を加えると振動するので、圧電ブザーや超音波発生装置の振動子などに用いられます。携帯電話の圧電レシーバほか、セラミックレゾネータも圧電セラミックスを利用した電子部品です。

圧電効果による電圧により火花を発生させる素子。ガスライターやガスレンジなどに広く利用されています。

1次側の交流電圧を圧電体の振動に変え、2次側でその振動を電気信号に戻す変換器。構造がシンプルで小型・薄型化が容易。高周波化しても電磁ノイズを発生しないなどの利点があります。

1次側の交流電圧を圧電体の振動に変え、2次側でその振動を電気信号に戻す変換器。構造がシンプルで小型・薄型化が容易。高周波化しても電磁ノイズを発生しないなどの利点があります。

交流電圧を加えると外形がひずんで振動する圧電セラミックスを振動子とした発音体。電子機器のアラーム音などの発音部品として多用されています。電子ブザーとしては圧電ブザーのほかに磁石とコイルを利用した電磁ブザーも使われます。

圧電体の振動子を用いた発音体。携帯電話の受話器、情報機器の音声やメロディ音、アラーム音などに用いられています。

積層タイプの電子部品を製造するための工法として、厚膜印刷工法とシート工法があります。厚膜印刷工法は、フェライトや金属導体などの材料をペースト状にし、スクリーン印刷と似た方法で基材や内部電極を印刷して積み重ねていく工法です。

assembly and testing process
IC 製造工程で、前工程(拡散工程)ででき上がったシリコンウェハを、1 個1 個のチップに切り分け、パッケージに収納(封止)する工程をいう。組み立て工程、選別工程、バーンイン工程、検査工程などがある。
 → 前工程

analog-digital IC
アナログ・デジタル混載IC。ミックスドシグナルともいう。アナログ回路とデジタル回路を混載したIC。
 → Bi-CMOS

Analog
相似、類似、時間、長さ、速度、電圧など、連続的に変化する物理量をアナログ量という。たとえば、針式の時計で相似的に時間を表すといった方法はアナログ表示。数字で表わすのはデジタル表示。

anneal
ひずみなどの除去・防止のための熱処理。焼き戻しともいう。IC 製造工程では、たとえばイオン注入後に、レーザや電子ビーム、電気炉などを使用して、導入した不純物を電気的に活性化・安定化したり、傷ついた結晶格子のダメージ回復のための熱処理をいう。

avalanche breakdown
なだれ効果。なだれ降伏ともいう。半導体の接合部の両側に十分大きな電界を加えると、電界によって加速されたキャリア(電子あるいは正孔)が格子原子と衝突し、電子・正孔対を作る。これがさらに格子原子と衝突し、電子・正孔対を作る。このように半導体内のキャリアがなだれ的に増大する現象をいう。pn 接合に逆方向に大きなバイアス電圧をかけた場合などに起きる。

非晶質。ガラス質ともいう。固体材料で構成原子が規則正しい配列をもたない状態のもの。アモルファスシリコンは不規則的構造で無定型状態だが、半導体の性質をもつ。これを利用して液晶ディスプレイの薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池などが作られている。
 → TFT

鉄、ニッケル、コバルトなどの鉄族元素と少量の添加元素を溶かし、急速に冷却することで製造されるアモルファス合金のコア(磁心)。透磁率が高く、耐磨耗性にすぐれ、特殊なトランスコアなどに使われます。

非晶質シリコンに水素を結合させたアモルファスシリコン半導体を利用した太陽電池。単結晶シリコンや多結晶シリコンよりもエネルギー変換効率が劣りますが、蛍光灯の波長に対して高感度であるため、ソーラー電卓やソーラー腕時計などに使われます。薄くフレキシブルで自由な形状に加工できるのが特長です。

alignment
位置合わせ。マスクパターンをウェハなどに転写する時の位置合わせ、あるいはその操作をいう。
 → ステッパ

単体の部品を複数まとめ、小型・軽量・省スペース化と低コスト化を図ったもの。コンデンサアレイ、チップビーズアレイ、3端子フィルタアレイ、コモンモードフィルタアレイなどがあります。

携帯電話において送信と受信の切り替えを時分割でおこなう素子。セラミック基板の上にインダクタ、コンデンサ、抵抗器などの素子を集積し、その上にPINダイオードを搭載した構造。

携帯電話のアンテナスイッチ素子と周辺の高周波部品を一体化させたもの。アンテナスイッチ部とフロントエンド部を一体化させたものがフロントエンドモジュールです。

yield
 ⇒ 歩留り(ぶどまり)

ion beam
真空中で加速・集束した細い線状のイオン粒子の流れのこと。イオンビームエッチングやイオンビームリソグラフィなどに利用されている。
 → FIB

ion implantation
イオン打ち込みともいう。原子をイオン化して加速し、固体中に注入すること。この原子を不純物原子と呼ぶ。物体の性質を変える方法の一つ。半導体では、MOSトランジスタのソースやドレイン領域をp 型またはn 型にするためや、一部を低抵抗にするために利用する(不純物注入)。熱拡散で不純物を導入する方法に比べて、濃度や分布を制御しやすい。

真空中で高速のイオンビームを用いて材料表面に微細なパターンを形成させる技術。半導体集積回路やHDD用ヘッドの製造において利用されます。

phase-shifting mask(PSM)
光の位相や透過率を制御することで、解像度や焦点深度(DOF:Depth of Field)を改善し、転写特性を向上させたフォトマスク。露光波長以下のリソグラフィには標準的に使われる。「ハーフトーン型」(Attenuated PSM)や「レベンソンマスク」(AlternativePSM)などがある。これに対して、従来の通常のフォトマスク(クロムマスク)は、光を透過する/遮断するという機能だけのため、バイナリマスクという。
 → 光学近接効果補正、超解像、レベンソンマスク、リソグラフィ

Primary battery
化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する方向だけに使用するように設計された電池。すなわち、放電のみが可能な(充電できない)使いきりの電池。

event
マイクロプロセッサを含むシステム内で発生する事象のことをいう。CPUコア内部の処理途中での例外的な事象や、ある処理への割り込みや、外部入力の発生通知など。
 → CPUコア

image sensor
走査と受光器の両機能を具備し,走査しながら光電変換を行う素子.charge coupled device(CCD)や photo diode array(PDA)などがあり, 原稿像の読み取りには画素を直線状または千鳥状に配列したものが用いられる.(参照:電荷結合素子) インタレース ◇interlace 飛び越し走査。テレビ画面やディスプレイで、1 回の画面表示(1フレーム)を奇数段目と偶数段目の2 回の走査(2フィールド)に分けて行うこと。動画表示のときチラツキを抑えられるため、ほとんどのテレビで採用されている。これに対し、1 回の走査で画面表示を行う方式はノンインタレース(プログレッシブ)という。   → I-P変換、プログレッシブ

色抽出とは、取込画像の特定エリア内の色を抽出して登録し、その基準色の色相、彩度、輝度の上下限範囲内の色と、範囲外の色を選別し、範囲内を白、範囲外を黒とする(2値化する)ことです。その後、従来の2値画像での計測を行うことができます。

インダクタには導線をコイル状に巻いた巻線タイプ、コイルパターンをシートに印刷して積み重ねる積層タイプ、薄膜プロセス技術により、ウエハ上にコイルパターンを形成した薄膜タイプに大別されます。また、その用途から、電源系、一般信号系、高周波系に分類されます。大電流が流れる電源系では、銅線を用いた巻線タイプが主流。一般信号系のインダクタは、特定の周波数だけをより分けるLCフィルタや共振回路などに用いられ、小型・薄型化が要求されるので積層チップタイプが主流です。高周波系インダクタは、高周波回路におけるインピーダンス・マッチングなどが主用途です。

コイルは直流電流をスムーズに流しますが、交流電流のように変化する電流に対しては、電磁誘導の作用により、電流変化をはばむように逆向きの電圧を発生し、抵抗のようにふるまいます。これをインダクタンスといいます。インダクタンスは交流の周波数に比例するため、巻数が少ないコイルでも高周波領域では抵抗成分(インピーダンス)が大きくなります。

インタライン転送方式とは、CCD素子で光を電荷に変換するエリアと電荷を転送するエリアが分離されて電荷を転送する方式のことです。
フレーム転送方式は光電変換するエリアを電荷の転送にも使用する方式です。フレーム転送方式はエリアを共用しているため、スミアノイズが発生し易くなります。

inverter
直流の電圧や電流を交流に変換する回路または装置。主にエアコンなどの交流モータの回転数を変えるのに用いられる。
 → コンバータ

交流回路における電気抵抗のこと。交流においてはコンデンサやインダクタも周波数に応じたインピーダンスをもちます。

信号を送り出す側と受け取る側のインピーダンス(交流における電気抵抗)を同じにして整合(マッチング)させること。信号源のインピーダンスと負荷側のインピーダンスが不整合のままでは、信号の反射や損失が起きるので、インダクタやコンデンサなどを挿入してインピーダンスをそろえます。これをインピーダンス・マッチングといいます。高周波回路ではとくに重要になります。

カメラの撮影素子であるCCDで取り込んだ画像には、画像処理の計測対象となる画像が複数個存在したり、対象以外の画像が含まれる場合があります。このような場合、画像処理の対 象画像を切り出す(指定する)働きをするのがウィンドウです。ウィンドウとして設定したエリア内が計測対象となり、そのエリアの外部は計測から除外できます。

wafer
単結晶のシリコン(Si)インゴットから切り出し、表面を研摩した円板状の薄い板のこと。この上に各種IC が作られる。

wafer process
ウェハの上に多数のIC チップを作り込む工程。前工程、拡散工程ともいう。

wafer level chip size package
個々のチップに分割する前のウェハ段階で、外部接続用の電極を設け、樹脂封止をしたパッケージ形態。

well
シリコンウェハの表面近くに形成した比較的深い不純物添加領域のこと。ここにトランジスタなどの素子を作る。ウェルにはp 型とn 型の2 種類がある。

air-gap
多層配線における絶縁方法の一つで、層間絶縁膜の代わりに空気の隙間(空隙、エアギャップ)を形成し利用するもの。微細化による配線間容量増大にともなって発生するシグナルインテグリティの劣化への一対策として、層間絶縁膜の誘電率を通常の酸化膜(SiO2)の値よりも下げた膜(Low-k膜)を用いる場合がある。それをさらに進めて最も誘電率の低い空隙を配線間の絶縁としている。

excimer laser
IC のリソグラフィ工程(露光工程)で用いるレーザ光源のこと。KrF(フッ化クリプトンエキシマレーザ、波長248nm)、ArF(フッ化アルゴンエキシマレーザ、波長193nm)、F2(フッ素エキシマレーザ、波長157nm)などがある。KrFはハーフピッチ0.25 ~ 0.13μm の量産に、またArFは同0.13 ~ 0.07μm 用として採用されている。

liquid crystal
通常、物質は温度を上げていくとある温度で固体から液体に変化する。しかし、特殊な分子構造をもつ物質の中には液体に直接転移せず、中間状態を経てから通常の液体になるものがある。この固体、液体、気体のいずれにも属さない第4 の状態を示す物質が液晶である。液晶は液体のように流動性があり、電気光学的には結晶(固体)の特性をあわせもつ。液晶を光シャッタとして用いたディスプレイをLCD(Liquid Crystal Display)という。

immersion lithography
フォトリソグラフィ(光露光)で、縮小投影レンズとフォトレジスト(ウェハ基板)との間に、屈折率が1より大きい液体を充填してパターンを転写する技術。液体の屈折率をnとすると、投影レンズの開口数NAがn 倍に拡大され、解像性能がn 倍向上する。現状では液体として水(n = 1.4)が用いられている。
 → 超解像、リソグラフィ

製品出荷前の試験として行われるものは「エージング試験」などとも呼ばれ、実際の使用環境や使用法と同じように稼動させてみて、性能や機能が仕様通りに発揮されるか、不良箇所などが無いかなどを調べるものを指すことが多い。また、高温や低温、多湿、高負荷など過酷な条件下で長時間あるいは長期間連続で運転して故意に製品を劣化させ、耐久性や耐用期間を検査、検証する試験を指すこともあり、製品開発などの工程で行われる。
機器の使用開始前に行われるエージングは機械製品などの初回使用時や検査、修理などの後に初めて使用する際に行われるもので、ある程度の時間(機器の種類などにより異なる)実際と同じように運転することで、内部の部品や接合部などの物理的な特性を安定させ、常に同じ能力を発揮できる状態に慣らすために行われる。

etching
食刻ともいう。一般には化学薬品などの腐食作用によって物体を削ること。IC やプリント配線基板など精密な加工に多く使われる。フォトリソグラフィ(光露光)で形成したレジストパターンをマスクにして、下地の薄膜をエッチングし、パターン形成を行う。薬液を用いる方法を「ウェットエッチング」、プラズマやイオンを利用する場合を「ドライエッチング」という。

電池の性能を比較するための指標。
充電されたバッテリーから取り出せるエネルギー量(電力量)を重量あたり(または体積当たり)で表したものをエネルギー密度とよぶ。重量あたりのエネルギー密度は「Wh/kg」、体積当たりのエネルギー密度は「Wh/L」で表す。

epitaxial growth
下地の単結晶基板上に、それにならって結晶方位、結晶構造、近い格子定数をもつ膜を堆積させる方法。

emulation
特定のハードウェア向けに開発されたプログラム(ソフトウェア)を、他のハードウェア上で擬似的に動作させること。擬似的・模擬的に動作するソフトウェアや装置を「エミュレータ」という。

電磁気特性をもつファインセラミックス材料。トランスコアや磁石材料となるフェライト、コンデンサに使われる誘電セラミックス、振動子やフィルタなどに使われる圧電セラミックスなどは、エレクトロセラミックスの仲間です。材料設計、成型、焼成などに高度な技術が求められます。

electromigration
半導体デバイスなどの金属配線中を電流が流れるとき、電子と原子の衝突による運動量の移転で、電子の流れる方向に原子が移動する現象。電流密度が増大すると配線が断線を起こす。この配線寿命は、電流密度の2 ~ 3 乗に逆比例する。すなわちデバイスの微細化は、電流密度の増加につながり、寿命を著しく低下させる恐れがある。また、金属配線が熱によって応力を受け断線につながるストレスマイグレーションもある。

electroluminescence
半導体などの物質に電界を印加することによって得られる発光現象のこと。材料によって有機ELと無機ELがある。有機ELは陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが有機発光層で再結合して発光する。直流電流の注入によって発光する発光ダイオード(LED)と同じ発光機構をもつため、有機LED(OLED)とも呼ばれる。液晶、PDPに次ぐディスプレイへの応用が期待されている。無機EL は、蛍光体を含む膜に交流高電界を加えたときに起こる電子の衝突励起によって発光する。ZnS:Mnによるオレンジ色の発光が代表的。
 → 無機EL、有機EL

encoder
符号器ともいう。ある情報や信号をデジタル符号化すること、またはその機能。デジタル信号の冗長度(データ量)を減らす(帯域圧縮)などに用いられる。これに対して、ある符号から元の信号を復元する機能をもつのがデコーダ(復号器)である。
 → デコーダ

engineering sample
ES。ICをユーザに機能や性能を評価してもらうためのサンプル。一般に、コマーシャルサンプル(CS)と異なり、信頼性を保証していない。
 → コマーシャルサンプル

enhancement-type FET
ノーマリオフ型FET(Normally-off FET)ともいう。FET(電界効果型トランジスタ)で、ゲート電圧を0V 以上にしないとドレイン電流が流れないタイプのトランジスタ。これに対して、ゲート電圧が0V でもドレイン電流が流れるタイプをデプレッション(depletion)型FETという。MOS FET では、チャネル濃度によってエンハンスメント型にもデプレッション型(ノーマリオン型)にもできる。

embedded cell array
ECA、エンベデットアレイともいう。ゲートアレイの一つ。ゲートアレイに機能ブロックを組み込み、特定用途向けを指向したIC。RAM やROM、CPUなどを効率よく内蔵できる。SOG(Sea of Gate)やチャネルレス型ゲートアレイと呼ぶエンベデッドアレイもある。
 → ゲートアレイ

Open OS(Operating System)
仕様やソ-スコードがオープンになっているオペレーティングシステムのこと。個々にライセンスが決まっており、自由に利用(複製・再配布・改変)できるライセンスであることが多い。

optoelectronics
オプティクス(光学)とエレクトロニクス(電子工学)の合成語。光から電気信号へ、あるいは逆に電気信号から光へと変換する技術の総称。半導体レーザ、発光ダイオード(LED)、EL、光ファイバ、光メモリ、光変調素子、光シャッタなどがある。

operational amplifier
演算増幅器。OPアンプともいう。アナログコンピュータの高精度線形増幅器として使われたところから名付けられた。バイポーラ技術で高利得・広帯域の直流増幅器をIC 化したものが多い。また、品種も多く汎用リニアIC の代表製品である。このオペアンプとA-D 変換器(アナログ-デジタル変換器)をあわせて、ミックスドシグナルデバイスという場合もある。

on-resistance
ゲート信号によって、MOSFETが導通している状態での抵抗成分のこと。

カ行

carbon nano tube
炭素の六員環だけを平面状につなげた六角網構造のシートを筒状に丸めた基本結晶構造をもち、単層CNT(Carbon Nano Tube)と呼ばれる。CNTには筒が多層に重なった多層CNT や、チューブの直径が異なるものなどがある。それぞれ違った特性をもち、金属から半導体(p 型またはn 型)の特性を示す。半導体では融点が高く、電子(またはホール)移動度と熱伝導率がシリコンよりはるかに大きい。

numerical aperture(NA)
対物レンズの光学的な性能を決める重要な要素の一つ。対物レンズの開口数が大きいほど分解能が高くなり、より微小な寸法での加工や微細な像観察が可能となる。開口数は次式で表される。開口数(NA)=n sinθ。ここでn は試料と対物レンズとの間にある媒質の屈折率(空気は n=1)、θはレンズの一番外を通る光線(周縁光線)と光軸とで形成される角度である。

Open Circuit Voltage
電池に負荷をかけていない(電池に機器を接続していない)状態の時の電池端子間の電圧の事。つまり、電流が流れていない状態の電圧。
負荷がないため、電池に機器を接続している時よりも電圧は大きい値を示す。開放電圧、開回路電圧とも言う。

完全に充電されているにも関わらず、長時間充電し続けること。
鉛バッテリー等、補水が必要なバッテリーの場合、過充電状態になると水の電気分解により電解液が急速に減少してしまうので、その際は精製水を補水する必要がある。
過充電を繰り返すと、バッテリー液が減少したり、逆に蓄電池寿命が短縮されたり、また過度にガスが発生し引火・爆発の危険性がある。
モバイル端末やUPSでは、過充電を防ぐ為、トリクル充電が採用されている。
トリクル充電は微弱な電流を流し続ける充電方法で、充電時間は長くなるが満充電後にそのまま充電状態であっても、電池に負荷は与えられないため、過充電による性能劣化等の悪影響を回避する事ができる。

CCDにはマトリックス状に敷きつめた電荷素子(縦方向:480素子、横方向:512素子)があり、この1素子が1画素になります。

circuit simulation
電子回路のアナログ動作を解析する方法。トランジスタ、抵抗、容量などの回路構成素子特性と回路接続状態を入力して回路内の電圧、電流などの直流特性、交流特性、過渡特性、周波数特性などの解析を行う。

diffusion layer
半導体表面から熱的な方法またはイオン注入によって不純物原子を注入すると、深さ方向に濃度勾配をもった層(p 型、n 型の層)ができる。この層のことを拡散層という。拡散層中での不純物原子の濃度は均一でなく、内部にいくにしたがって薄くなる。このため拡散層の評価は表面濃度(シート抵抗)、拡散層深さなどで行う。IC の中で拡散層は抵抗や配線などにも使われている。

diffused resistor
半導体デバイスの不純物を拡散させた層の抵抗のこと。拡散層抵抗ともいう。抵抗素子としてみれば、拡散抵抗は一般に抵抗値の温度特性があまり良くなく絶対値精度も低い。しかし、チップ内(2 個またはそれ以上)での抵抗値間での相対精度は高い。この特長を生かしてIC 内の差動増幅回路などに用いられている。

compound semiconductor
2つ以上の元素からなる半導体をいう。Ⅲ族とⅤ族を組み合わせたGaAs、InP、GaNや、IV族とIV族同士を組み合わせたSiGeや、Ⅱ族とVI 族を組み合わせたZnO、CdTe、(ZnSe)などがある。これらの元素を組み合わせることで、単一元素では実現できない半導体の特性を実現することが可能である。超高速・超高周波デバイスや、光デバイス(半導体レーザ、LED)などに利用されている。

custom integrated circuits
ユーザ(顧客)の仕様に合わせて作る特注のIC。フルカスタムICとセミカスタムICがある。
 → ASCP、ASIC、ASSP、汎用IC、ゲートアレイ、セルベースIC

pixel
ディスプレイなどで、文字や絵などの画像を構成する最小単位。この画素を、R(赤)G(緑)B(青)など3原色に分解した場合は、それぞれを「ドット」という。RGB の3ドットで1 画素を構成する。一つの画像の画素数が多いほど画像ははっきりする(解像度が高い)。CCD やCMOS 撮像素子では、受光しその信号が出力される最小単位を有効画素といい、その総数を有効画素数という。これ以外に光電変換機能をなくした画素も含めたものを総画素数という。

accelerated test
デバイス使用環境における特定のパラメータ(電圧、温度、湿度、圧力など)に対し、その条件を通常動作範囲よりも、さらに過酷な環境に変化させて故障観察を行い、実使用条件下での故障率を推定する信頼性試験方法。

回転運動や運動速度の変化などにともなう加速度を検知するセンサ。半導体などのほか圧電素子も利用されています。

バッテリー残量が0%になるまで使い切り、放電してしまうこと。蓄電池を定められた終止電圧を下回るまで放電すること。

カラーフィルターとは、取込画像に赤、青、輝度、任意色のフィルターをかけ、そのフィルター色を明るくグレー表示する方法です。
その後、従来のグレー画像での計測プログラムを行うことができます。

Gallium Arsenide Integrated Circuit
半導体のGaAs(ガリウム砒素)を基板にしたIC。現在のLSIの主流であるSi(シリコン)ICと比べて、動作速度を上げられるとして登場した。携帯電話、高周波数帯の通信デバイスなどに多く用いられる。

小さなフェライト磁石と、感温フェライト、リードリレーを組み合わせた有接点の温度センサ。フェライトはキュリー温度以上で強磁性体としての性質を失います。感温フェライトはこのキュリー温度を常温近辺まで低くしたソフトフェライト。動作温度を境にしてリードリレーの接点が開閉します。炊飯ジャーの保温ヒータやエアコンの室外機、温水洗浄便座などの断続温度制御に広く利用されています。

低ESL(等価直列インダクタンス)化を図って高周波特性を高めたコンデンサ。コンデンサはわずかながら内部電極や端子電極までもインダクタとして作用し、デジタル機器などではデジタル信号に含まれる高調波成分(基本波の整数倍の周波数成分)がノイズとなって放射されます。この問題を解決するため、内部電極をはさむかたちでアース電極を設け、3端子構造としたのが貫通型コンデンサです。

parasitic parameter
ゲート電極と基板の間、配線と基板の間、配線と配線の間の容量C、また配線自体の抵抗R、配線層をつなぐスルーホールや配線と拡散層をつなぐコンタクトホールの抵抗R、それらによるインダクタンスL やトランジスタ成分などを総称して寄生パラメータという。

vapor phase growth
材料を気体(気相)状態にして結晶基板表面に薄膜を成長する技術。これには、化学的気相成長法(CVD)と物理的気相成長法(PVD)がある。

色の明るさの度合いを指します。

function design
IC 設計の一つ。システム仕様に基づいて、そのICにどのような機能をもたせるかを設計すること。あるいは、その設計工程をいう。最近では設計にCADなどを利用した自動設計が一般的となっている。機能合成ともいう。また、機能設計には機能検証もある。

volatile memory
電源を切ると記憶しているデータが消えてしまうメモリ。SRAM、DRAMが代表的である。

プラス極とマイナス極を逆に接続して行う充電のこと。蓄電池は強制放電されることになる。
鉛蓄電池の場合、放電後に逆充電を行うとプラスとマイナスが逆になってしまう。この場合、極板の特性上バッテリー性能が悪くなる。

cache memory
キャッシュ(Cache)とは隠し場所の意味で、頻繁に用いるデータを一時的に保存するバッファ。容量は小さいが、動作速度が速いのが特徴。コンピュータの処理速度の向上のために、CPU(プロセッサ)と主記憶装置の間に置かれる記憶装置をいう。

大電流により短時間で充電する事。例えば、深放電状態のバッテリーをエンジン始動可能な程度にするために急速充電を行うなど、応急的に行われる充電方法で、完全充電するものではない。
急速充電はバッテリーへの負荷が大きいため、急速充電に対応するバッテリーかどうか確認が必要。大電流により短時間で充電する事。例えば、深放電状態のバッテリーをエンジン始動可能な程度にするために急速充電を行うなど、応急的に行われる充電方法で、完全充電するものではない。
急速充電はバッテリーへの負荷が大きいため、急速充電に対応するバッテリーかどうか確認が必要。

鉄やフェライトなど強磁性体を加熱すると、ある温度を境として磁性を失ってしまいます(常磁性体への転移)。この温度がキュリー温度(キュリー点)です。永久磁石もキュリー温度以上にまで加熱すると磁力を失います。これを熱消磁といいます。

簡単にいえば磁石に吸いつく物質。単に磁性体あるいは磁性材料とも呼ばれます。強磁性体は磁石に吸いついたのち、磁石を取り去っても磁化を残す硬磁性(ハード磁性)材料と、磁石を取り去ると元の状態に戻る軟磁性(ソフト磁性)材料に大別されます。永久磁石材料である磁石鋼やハードフェライトなどは硬磁性(ハード磁性)材料、トランスコアなどに使われる軟鉄、ケイ素鋼板、センダスト、パーマロイ、ソフトフェライトなどは軟磁性(ソフト磁性)材料です。一般にフェライトというとソフトフェライトを指します。

co-simulation
プロセッサモデルとシステムモデルとを結びつけ、ハードウェアとソフトウェアを同時にシミュレーションする方法。システムLSI 開発では最適なハードウェア/ソフトウェア分割の検証、システム検証に用いられる。

Giant Magnetoresistive Effect
1988年に発見された磁気抵抗効果の特殊事例。普通の金属の磁気抵抗効果は数%だが、1nm程度の強磁性薄膜(F膜)と非強磁性薄膜(NF層)を重ねた多層膜には数十%以上の磁気抵抗比を示すものがあり、この現象を巨大磁気抵抗効果と呼ぶ。代表的な応用例ではHDDのヘッドに利用されている。

ferroelectric material
外部からの電界の方向によって、自発分極の向きが変わる誘電体のこと。

蓄電池の品質を維持するために行われる充電方式の一つで、接続された複数の蓄電池を過充電し、全セルの蓄電容量を均等化させるために行う。
蓄電池は浮動充電しながら運用していると、セルごとに蓄電容量のばらつきが生じる。このまま使い続けると、電位差による循環電流などの悪影響が出る恐れがあるため、定期的に均等充電を行う必要がある。

空間フィルターとは、取り込んだ画像データのノイズや歪みを取り除き、または抽出/強調することで画像の有す情報を人間にとって見やすくしたり、画像をある標準的な形に変換して、判定や認識を容易に行えるようにする処理のことです。
IV-C35Mでは平滑化(平均/中央)、エッジ強調、エッジ抽出、水平エッジ、垂直エッジの6種から選択します。

磁性体のコア(磁心)をもたないコイルを広く空心コイルといいます。電磁石は鉄などの強磁性体がコアとして用いられますが、鉄はコイルに流す電流の増加とともにやがて磁気飽和してしまうので、大電流を流す超電導磁石では空心コイルが用いられます。また、電子機器のトランスやアンテナコイルのコアにはフェライトが使われますが、GHz帯の高周波になると磁性体のフェライトコアは損失が大きくなってしまいます。このため携帯電話の高周波回路などでは空心系インダクタが使われます。非磁性体で誘電率の小さな誘電体セラミックスをコアに用いたものも空心系インダクタに含まれます。

embedded system
家庭電化製品や自動車、インフラ機器などで、機能を実現または制御するために、プロセッサ/マイコンなどの電子デバイスを組み込んだ電子機器の総称。その応用範囲は多岐にわたり、私達の生活のいたるところに存在する。

Graphene
1原子の厚さの炭素原子のシート。炭素原子とその結合からできた六角形格子構造でできている。炭素同素体のカーボンナノチューブやフラーレンの基本的な構造である。

ケーブルをはさむように装着してノイズを除去するEMC対策部品。円筒型のフェライトコアを縦割りにした構造となっています。

シート工法による積層チップ部品の製造において、電極や導体パターンを乗せる基材となる薄いシート。グリーンシートとは焼成前の生のシートという意味。積層セラミックチップコンデンサの製造においては、誘電セラミックスの粉末にバインダなどを加えて泥状のスラリーとし、これをキャリアフィルムなどの上に薄く延ばして乾燥させてグリーンシートとします。

シート工法による積層チップ部品の製造において、電極や導体パターンを乗せる基材となる薄いシート。グリーンシートとは焼成前の生のシートという意味。積層セラミックチップコンデンサの製造においては、誘電セラミックスの粉末にバインダなどを加えて泥状のスラリーとし、これをキャリアフィルムなどの上に薄く延ばして乾燥させてグリーンシートとします。

clean room
非常に清浄な環境条件を保ち、同時に温度・湿度を制御・モニタしている工場または作業場所。IC では、nm オーダの超微細なパターンを加工しているため、微量のゴミ(パーティクル)や金属、各種イオン、有機物などの不純物が存在すると、IC の歩留りや性能、信頼性などを低下させる。そのため、IC の製造はクリーンルーム内で行う。クリーンルームの清浄度のレベルは、存在するゴミの粒径と個数によって「クラス」という名前で表される。清浄環境を実現するため、一般には全体に与圧をかけ、天井のフィルタから網目状になっている床に向かって絶えず空気を流し続けている(ダウンフロー)。クリーンルームの建設コストや運転コストを下げる目的で、SMIF やFOUPなどの局所クリーン化方式が採用されている。

clean room
非常に清浄な環境条件を保ち、同時に温度・湿度を制御・モニタしている工場または作業場所。IC では、nm オーダの超微細なパターンを加工しているため、微量のゴミ(パーティクル)や金属、各種イオン、有機物などの不純物が存在すると、IC の歩留りや性能、信頼性などを低下させる。そのため、IC の製造はクリーンルーム内で行う。クリーンルームの清浄度のレベルは、存在するゴミの粒径と個数によって「クラス」という名前で表される。清浄環境を実現するため、一般には全体に与圧をかけ、天井のフィルタから網目状になっている床に向かって絶えず空気を流し続けている(ダウンフロー)。クリーンルームの建設コストや運転コストを下げる目的で、SMIF やFOUPなどの局所クリーン化方式が採用されている。

clock skew
同期回路を制御するクロック到達時間のばらつき。単にスキューともいう。クロック信号を駆動するドライバや伝播する経路の違いによって生じる。スキューが大きくなると、高速化の妨げとなるばかりでなく、誤動作の原因となる。この対策としてロジックIC では通常、CTS(Clock Tree Synthesis)によって、クロック発生回路から数段のバッファツリーを経由してフリップフロップ(FF)やRAMなどへの同期回路へと、到達時間を極力揃えたクロック信号の分配方法などが採用されている。

formal verification
ICの機能設計と論理設計の工程で行なわれる静的(スタティック)な回路検証のこと。外部からのテストパターンを必要とせず、回路記述情報を使って検証する手法。形式検証は、プロパティ検証と論理等価性検証とに分けられる。

Gate
トランジスタにおいて、信号を通過させたり遮断したりする素子。一般に、ゲート長が短いほどトランジスタの性能は向上するため、以前は、ゲート長が半導体の世代を表す指標となっていた。

gate array
ASIC の一つ。開発期間と費用を減らして多品種少量の需要にも応えられるセミカスタムのデジタルIC。短期間にICが提供できる。基本セルを並べたマスタウェハ(配線の直前のウェハ)を準備しておき、ユーザの論理回路図とタイミングチャートをもとに配線を行う。従来は配線領域とゲート領域が分離固定されたタイプであったが、最近はSOG(Sea of Gate)型ゲートアレイが主流となっている。

トランスやアンテナコイル、チョークコイルなどに磁心のこと。ケイ素鋼板やアモルファス合金、フェライトなどの軟磁性材料が使われます。高周波領域ではフェライトコアは不可欠のコア材料です。

トランスなどのコア(磁心)に磁界を加えたとき、その一部が熱として外部に放出されてしまう損失。コアが鉄心の場合は鉄損といいます。コアロスとしては、渦(うず)電流損失、ヒステリシス損失などがあり、加える磁界の周波数が高くなるほど大きくなります。とくに、渦電流損失は、コア材料の電気抵抗が小さいほど増加します。このため鉄系のコア材(軟鉄やケイ素鋼など)は低周波領域でしか使えず、高周波領域ではフェライトが不可欠となります。MnZn(マンガン・ジンク)系フェライトよりもNiZn(ニッケル・ジンク)系フェライトのほうが電気抵抗が高く、より高周波領域で使われます。トランスにおいては、コアロスと巻線の抵抗による銅損の合計が全体の損失となります。

optical proximity correction(OPC)
IC の加工寸法が微細化し露光波長に近づくと、マスクパターンの形状や大きさ、隣接パターンの影響によって、マスクパターンを忠実にウェハ上に露光できなくなる。この現象を光学近接効果(OPE:Optical Proximity Effect)という。そこで、あらかじめ変形を見越して、パターンの形状に応じて、パターンのエッジに段差(ジョグ)を付けたり、別のパターンを加えたり(ハンマヘッドやアシストバー、セリフ)、またパターン幅を変えるなどの補正を行う。これをOPCという。

structural verification
ICの故障検出手法の一つで、故障モデルに基づいて生成したテストパターンにより故障検出を行なう。短時間で高い検出率を得られる。代表的な手法として、スキャンテストとBIST (Built in Self Test) がある。

structural verification
ICの故障検出手法の一つで、故障モデルに基づいて生成したテストパターンにより故障検出を行なう。短時間で高い検出率を得られる。代表的な手法として、スキャンテストとBIST (Built in Self Test) がある。

High-K Materials
ロジックのゲート絶縁膜や DRAM キャパシタ絶縁膜に使用することで、トランジスタ性能やキャパシタ容量を向上することが可能となる。

CODEC
符号器(Coder)と復号器(Decoder)の合成語。電気信号を一定の符号に変換する符号化機能と、それを元に戻す復号化機能をもつもの。このIC は、通信、インターネット、モデムなどで使用される。

connector
コネクタとは、コンピュータと周辺機器、電子機器などを接続し、電気的に連絡可能とする、接続器のことである。 コネクタは、一般的には、数本から数十本の複数のライン(信号線)や電源ラインを寄り合わせた伝送線接触させ、 信号や電源をやり取りために設けられる。それぞれペアとなっているラインを固定し、間違いなく結線できるようになっている。

coprocessor
補助プロセッサ。CPUコア以外であって、特定の基本処理をハードウェアで実行するプログラマブルなモジュールのこと。浮動小数点演算などCPUコアでも処理可能であるが、CPUコアの効率を上げるために搭載する。

commercial sample(CS)
ユーザに最終評価を行うために渡すサンプルで、半導体メーカでは社内評価や信頼性試験を終えた状態のもの。これに対し、IC 開発途中で機能や性能を評価するためのサンプルをエンジニアリングサンプル(ES)という。

Condenser
2枚の金属板の間に誘電体となる絶縁体を挟んだ電子部品。電圧をかけると、その電圧に応じて電荷を蓄えるため、整流電流の平滑化やノイズ低減などに使われる。DRAM内では、1コンデンサに電荷がたまった状態が1、放電された状態が0と、記憶素子として使われる。また、直流電流をカットして交流電流だけを通すという性質を持つ。キャパシターともいう。

converter
交流を直流に変換したり、電圧を変換したり、周波数を変換する回路または装置をいう。たとえば、DC-DCコンバータで電圧を変換する場合、直流(DC)を一度交流(AC)に変換して電圧を変え、整流し、再度直流(DC)に変換する。このDC-DCコンバータは携帯情報機器に多く用いられる。電池からの電源電圧を、各IC やディスプレイが必要とする電圧に変換するためである。

comparator
比較器。複数の入力信号電圧の大小を比較し、それに応じてハイレベル(高レベル)またはローレベル(低レベル)の電圧を出力するもの。出力側がTTLなどの汎用ロジックICと直結できるようになっている。

computer architecture
コンピュータの基本構造。建築分野の基本設計や建築様式を表す言葉だったが、コンピュータ分野でもハードウェアやOS、システム、ネットワークなどの基本設計や設計思想のことをいうようになった。

サ行

thyristor
出力直流電流を制御する半導体整流素子。シリコンの npnp の四層からなり、両端の電極とゲートと呼ばれる第三の端子をもつ。 動作が速く、効率がよく、小型で長寿命である。SCR

cycle time
メモリの読み出し、書き込みなどの動作の繰り返しに要する時間。

色の鮮やかさの度合いを指します。

フェライトのもつファラデー回転と呼ばれる物理効果を利用し、進入してきた電波を必ず右(あるいは必ず左)の端子に誘導して循環させる回路素子。携帯電話のアイソレータにも同じ原理が利用されています。

substrate
半導体デバイスを作り込む単結晶基板のこと。シリコンウェハもその一つ。フォトマスクの基板、電子回路モジュールの基板などをいう場合もある。一般には下地シートという意味で使われる。

submarine patent
米国では従来、特許の存続期間が「成立より17年間」と定められていたため、審査を引き伸ばすことによって権利期間の始期をコントロールすることが可能であった。このため、出願公開の制度がなかったことも相まって、突然に、しかも競合他社の動向を見定めた適当なタイミングで特許を出現させ、当該特許権の行使をすることが可能であった。密かに沈んでいて、あるとき突然姿を現すので、サブマリン(潜水艦)特許と呼ばれている。

温度によって電気抵抗が変化する素子。サーミスタとは、熱(サーマル)と抵抗(レジスタ)を組み合わせた造語。温度上昇とともに抵抗値が減少する負温度係数(NTC)のNTCサーミスタ、温度上昇とともに抵抗値が増加する正温度係数(PTC)のPTCサーミスタがあります。NTCサーミスタは温度センサや体温計などして多用され、一般にサーミスタといえばNTCサーミスタを指します。

thermopile
サーモパイルは熱エネルギーを電気エネルギーに変換する電気部品である。サーモパイルは複数の熱電対(thermocouple) を直列あるいは並列に接続したものである。

鉛バッテリーを放電したときに発生する硫酸鉛の結晶化のこと。
発生してすぐの硫酸鉛は柔らかいため、放電後すぐに充電すれば硫酸塩は電解液に溶け込みバッテリー容量に影響を与えないはずだが、バッテリーを長期間放置すると、硫酸鉛はだんだんと硬くなり、また電極板にも付着する。硫酸鉛は絶縁体であるためバッテリーの内部抵抗が大きくなり容量が低下する。

ZnO LED
酸化亜鉛(ZnO)をエピタキシャル層に用いたLED。発光色はGaN同様に青色〜紫外。GaN―LEDと比べて低コストのほか、波長領域を下げられ蛍光体材料の選択肢が広がり、GaN-LEDよりも高温でも発光できる。

鉄やフェライトなどの強磁性体を磁化して飽和磁束密度まで達したあと、電流の大きさを弱めて磁界をゼロに戻しても、強磁性体には磁化が残ります。その磁束密度のことを残留磁束密度といいます。保磁力とともに、永久磁石の磁気パワーの大きさを示す指標となります。

ultra-violet light exposure
UVリソグラフィ。UV 露光ともいう。マスクパターンをウェハ上に転写するIC の露光工程で、紫外線領域の波長の光源を用いた露光法。i 線(波長365nm)ステッパなどがある。

色合い。赤や青、緑などの色そのものを指します。

強磁性体に磁界を加えると、電気抵抗がわずかながら変化する現象。この現象を強磁性体の薄膜製品として実用化したのが、1990年代におけるHDD用再生素子の主流であったMRヘッドです。その後、特殊な多層薄膜を用いることで、より大きな効果が得られることが発見され、巨大磁気抵抗(GMR)効果と名づけられました。現在、主流のHDD用ヘッドの再生素子は、この巨大磁気抵抗効果を応用したGMRヘッドです。

磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体に、音声・映像・データなどの情報を記録・再生する素子。テープレコーダやVTRなどでは、フェライトなどの磁性材料を切削加工したバルク(塊)ヘッドが主に使われますが、HDD用ヘッドにおいては薄膜プロセス技術により、記録素子と再生素子をウエハ上に薄膜形成して製造されます。

signal integrity
デジタル信号の波形品質。ロジックICのシグナルインテグリティ保証とは、内部を伝播する信号への、隣接する配線からの影響によるクロストークや信号の反射といった、予期しない歪みを抑えることを指す。

system LSI
SoC(System on a Chip)ともいう。装置(システム)のほとんどの機能を1 チップ上で実現した大規模な IC。これまで複数のICを組み合わせて構成していた機能を1チップに集約したもの。小型で高性能な機器を実現できる。主に、プロセッサとメモリ、入出力回路、インタフェース回路、通信回路などから構成される。アナログ回路を搭載したICもある。回路規模が大きく設計に時間がかかるため、動作を確認した既存の回路ブロックを再利用する方法が不可欠になった。この再利用できる回路ブロックのことをIP(Intellectual Property:設計資産)という。

system design
ICで1 個のチップにもたせるべき機能や構成を決めるための設計の最上位工程をいう。システム設計ではハードウェアとソフトウェアの分担を決めるアーキテクチャ設計が重要となる。

外部回路に電流が取り出されること無く、蓄えられている電気の量が、時間の経過と共に徐々に減少する現象。

automatic test pattern generation
ICの回路故障を検出するテストパターンを自動的に発生させること。略してATPG。特定した故障を想定しシステムのアルゴリズムに基づいてテストパターンを生成する方法と、特定の故障を想定せずにランダムにテストパターンを発生させる方法とがある。現在ではICの設計時、論理合成と同時にテストパターンが発生できるなど操作性、性能ともに向上している。とくにシステムLSI(SoC)のような大規模ICを設計する場合には、ATPGが必須となっている。

積層チップ部品を製造するための工法として厚膜印刷工法とシート工法があります。シート工法はグリーンシートと呼ばれる薄いシートに電極や導体パターンなどを乗せて積み重ねていく工法。

simulation
現実の事象をコンピュータ上でモデル化して動作を模擬すること。どのようなことが起こり得るかを調べる。「解析」などに用いる。シミュレーションをする装置またはソフトウェアをシミュレータという。

gyroscope
ジャイロスコープ のこと。物体の角度や角速度を検出するためのセンサ。ジャイロセンサとも言われるが、これは和製英語。

金属その他の物質を真空中で加熱し、蒸発した原子・分子を基板に凝着させて薄膜を形成する方法。真空蒸着ともいいます。

機械的振動が加わると圧電素子から電圧が発生することを利用したセンサ。

stuck-at fault
IC内の論理素子やフリップフロップなどの入力端子または出力端子が、回路の入力状態に関係なく、論理値“0”または“1”に固定される故障。

Integrated Circuit
電子回路を小型化するために部品そのものを超小型化して高密度に集積配線したもの。集積回路(IC)には、ハイブリッドICと、モノリシックICの2種があり、モノリシックが最も多い。

一定の電流をバッテリーに流して充電と放電を繰り返す電池の評価方法。
充電容量と放電容量を計測し、バッテリーの現在の充電性能や取り換え時期(寿命)を検査できる。

Silicon Interposer
樹脂インターポーザーと違い、半導体チップをフリップチップ実装しても熱膨張係数が同じため電気特性がよく、高速・高周波領域でも動作特性が良い。より微細な配線やバンプ形成が可能になる。

silicon cycle
半導体の消費量が、コンピュータの需給に依存していたときの半導体産業の景気循環波動で、ほぼ4年ごとに好不況の波を繰り返す経験則。半導体産業は、年度ごとにその成長を追った場合、3〜4年ごとに成長のピークとボトムを伴った周期がみられていたが、近年は、市場を牽引する電子機器の主役が買い替えサイクルの短いスマートフォンに移行したのと、他の電子機器も多様化したのに伴い、この経験則が崩れている。

silicon photonics
シリコン素子上に光素子を形成する技術のこと。光素子とは、受光素子、発光素子、光変調器、光導波路などを指す。従来の光素子はⅢ‐Ⅴ族系半導体で作成されることが多かったが、シリコンプロセスで実現できれば、集積化が容易になり、コストも下がることが期待されている。

synchrotron orbital radiation
リング状の電子加速器のこと。略してSOR。物性の評価や解析に用いられている。装置途中の数個所の電子湾曲部で発生する軟X 線を取り出し、露光光源として利用することも研究されている。この軟X線は非常に均質で良好な特性をもつ。

完全に密閉(Sealed)されたバッテリーの事。「メンテナンスフリーバッテリー」「制御弁式鉛蓄電池」とも言う。
電解液をゲル化したり、ガラスマットに電解液を染み込ませ、更に二重構造の容器を使用して電解液の漏れを防ぐ。流動する電解液がないため「ドライバッテリー」とも呼ばれている。
充電中に起こる水の電気分解によりガスが発生しても、電極板での化学反応により水に戻す事でガスの発生を抑えている。密閉することで水分が失われることがなく、補水の必要がない。

synchronous DRAM
外部から入力するクロック信号に同期してデータを入出力するDRAM。

intrinsic semiconductor
不純物元素を添加していない半導体のこと。真性半導体では、単位体積あたりのキャリアを電子数n、正孔数pで表わすと、nとp が等しくなる。真性半導体のキャリア数は小さいので、通常は不純物を添加して不純物半導体として利用する。リン(P)、ひ素(As)、アンチモン(Sb)などの不純物元素を添加したものをn 型半導体、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)などの不純物元素を添加したものをp型半導体という。

super pipeline
パイプラインを構成するステージ数を増やすことで、ステージあたりの処理を単純化し、高い動作周波数を実現した方式。パイプラインによる並列処理では、見かけ上1サイクルあたり、1命令の結果が得られるため、1サイクルあたりの経過時間が短ければ、それだけ短い時間で 1命令の結果が得られることになる。

superscalar
CPU のアーキテクチャの一種。並列コンピューティングの考え方をCPU 内に実装したもの。1 命令で一つの処理を行う演算装置(ALU:Arithmetic andLogic Unit)を内部に複数もっている。複数の命令を分配機構で、どれが並列に実行できるかを決め、複数のALUに分配し、処理を行う。

quartz crystal unit
水晶振動子とは、圧電効果のある水晶を利用し、高い周波数精度の発振を起こす際に用いられる受動素子の一つ。水晶振動子は電気回路とくらべ周波数が 安定していて、小型化に適している。温度による影響をうけにくい性質がある。水晶を一定方向で切断して製作する。

Crystal Oscillator
水晶発振器とは、水晶発振子を使用して発振周波数を制御する発振回路のことである。 水晶発振器の振動周波数は、そこに組み込まれた水晶振動子の振動周波数によって決定される。一般的に水晶発振子は温度変化に対する安定性が非常に高いため、 安定した発振回路を構成することができる。

水の電気分解の原理を利用し、水素と酸素を化学反応させて電気を発生させる発電装置。
都市ガスやメタノールといった燃料や、水の電気分解など様々な方法で取り出した水素に、大気中から取り入れた酸素を反応させて電気を発生させる。

従来の発電方法では、化石燃料などの燃焼(熱エネルギーへの変換)により二酸化炭素(Co2)を発生させてしまう。また、燃料を燃焼させた後、タービンを回転させるなど(運動エネルギーへ変換)して、発電(電気エネルギーへの変換)するため、他のエネルギーへ変換する過程でエネルギーの損失が生じる。
しかし、水素燃料電池では、水素は燃焼させず酸素と化学反応させるので、Co2は発生しない。発電の際には水しか排出されず、環境に優しい。また、水素と酸素の化学反応で直接発電(電気エネルギーへの変換)させるので、エネルギーの損失が少なく発電効率が高い。さらに、発電と同時に熱も発生するので、その熱を活かすことでエネルギーの利用効率を高めることができる。そのうえ、発電時の振動や騒音が少ないため、ビル内部や市街地、家庭などへの設置が可能で、住環境への影響が少ない。船舶やトラック・自動車などの移動体の駆動源としても利用できる水素燃料電池は、発電効率が高く環境への負荷が少ないクリーンなエネルギーとして、世界で積極的に開発が進められている。

SCAN test
大規模な論理IC で必携となっているテスト手法の一つ。検査する回路の経路上にフリップフロップを組み込み、ピン(端子)から順次走査(スキャン)しながら動作を観測することで、回路の短絡・開放・架橋・遅延などを自動的に調べることができる。

scrubber
IC 製造工程でウェハを回転させながら、ブラシを適当な圧力で接触させ、純水を流しながらブラシを回転・移動して、ウェハ表面の塵埃・堆積物を除去する洗浄機。

scaling law
比例縮小法、スケールダウン則ともいう。IC の基本となるトランジスタの性能向上を微細化によって実現させるための基本ルールである。

stacked package
一つのパッケージに複数のIC チップを積層・搭載したパッケージ。異なる種類のチップや同種のチップを積層することで、実装面積が削減でき、同一面積でデバイスの大容量化、高機能化が実現できる。

Standard Cell
あらかじめ設計され標準化されている機能セルを組み合わせて配置・配線することにより、チップ全体を設計するセミカスタムLSIの一種。ゲートアレイに比べて、セルは最適設計されており、チップ面積の無駄も少ない。

Structured ASIC
ASICにおいて、微細化の進展や製品サイクルの短期化を背景に、マスクや開発費の増大、開発期間の長期化などを打破するものとして、一定の層を固定化したASIC。

stepper
縮小投影露光装置。IC製造工程でマスクパターンをウェハ上に転写する露光工程で使用する装置。マスク(レティクル)をレンズ光学系を介してウェハ上に縮小投影し、繰り返し転写(Step and Repeat)することからこの名がついた。

sputtering
スパッタともいう。物理的気相成長法(PVD)の一つ。成膜とエッチングの両方の意味がある。真空中にアルゴンなどの放電用ガスを注入して、電極に電圧を加えるとグロー放電が発生する。このとき、プラズマの中のイオンが陰極のターゲットに衝突して原子をはじき出す現象をスパッタという。これを利用して気相成長やエッチングを行う。

throughput
単位時間内に処理できる仕事量のこと。または、ある仕事を処理するのに必要な時間のこと。IC や電子機器・部品工場では、製造ラインの処理能力を表す。入出力のための準備や後始末などの処理待ち時間も含む。狭義のコンピュータ用語としては、コンピュータの処理能力を示す。

Hole
半導体において価電子帯から伝導帯励起されるか、アクセプターに捕らえられると価電子帯に負の電荷をもつ電子の抜けた後に正の電荷が残る。この穴を正の電荷をもつ粒子とみなして正孔と呼ぶ。

product liability
PLともいう。製品の欠陥が原因で消費者がケガをしたり、物品が破損するなどの被害が生じた場合に、製造物やそれに使用される原材料・部品のメーカ、設計者、製造者、販売業者、保守サービス業者、その他製品に関与した者に被害者の損害、損失または懲罰的損害を賠償する責任を負わせること。日本では、1995 年7月に「製造物責任法」(PL法)として施行された。

electrostatic damage(ESD)
人体や機器、周囲環境に帯電した静電気が、ICの端子から内部に侵入することで、pn接合部や配線、酸化膜を破壊する現象のこと。静電気対策として、IC内にダイオードや抵抗からなる入力保護回路を設ける。また、ICを輸送する場合の包装材料や作業環境にも帯電防止を行う。

コンデンサにおいては電荷をどれだけ蓄えられるかの能力のこと。コンデンサの静電容量値は電極の面積が広いほど、電極間の距離が狭いほど、また電極間の絶縁体の誘電率が高いほど大きくなります。積層セラミックチップコンデンサは、多数の電極を積み重ねることで、実質的な電極面積を広くしています。

積層工法によって製造されるリード線をもたないSMD(表面実装部品)用のチップコンデンサ。厚膜印刷工法とシート工法があり、現在は薄い誘電体シートと電極となる導体ペーストを交互に多層積層して切断後、焼成して製造するシート工法が主流です。

design rule
設計ルール、デザインルールともいう。ICを設計する時、素子各部の平面的寸法や相互の位置関係、素子間の立体的位置関係などを定めた基本規則(ルール)のこと。

design verification
ICの各設計工程における設計の誤り、漏れの検出および設計完成度の確認作業を指す。検証ツールとして、仕様レベルや機能レベルには「機能レベルシミュレータ」、論理レベルには「論理シミュレータ」、トランジスタ回路レベルでは「回路シミュレータ」、マスクレイアウトレベルでは「DRC」「LVS」などがあり、各設計工程に応じた確認が可能である。とくにHDLを用いたトップダウン設計手法では、機能設計段階での設計検証(HDLシミュレーション)によって、設計の早期段階で高い設計品質と短い設計期間を確保することができる。

陶磁器と同様に、熱処理により製造される非金属・無機質の固体材料。高純度の原料を精密に調整、焼成工程の高度な制御などで得られる高性能セラミックスのことをニューセラミックスあるいはファインセラミックスといいます。電子材料として用いられるのは、このうち、すぐれた電磁気特性をもつものはエレクトロセラミックスあるいは電子セラミックスと呼び、電子材料として用いられています。

ceramic filter
チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zrx,Ti1-x)O3のように強誘電性物質の粉体を焼結して得たセラミックスに強い電界を印加して分極処理したものは圧電性を示すようになる。 セラミック圧電体の用途には,圧電着火,超音波発振,振動検出などがあるが,共振子として使う場合,特定の周波数の電波だけを選択的に通過させることができる。 これはセラミックスによる電波のフィルターであるのでセラミックフィルターと呼ばれる。 このほか最近では,液体のろ過に使われる耐食性のよいアルミナ, シリカなどのセラミックスの多孔質体もセラミックフィルターと呼ばれるようになった。

cell size
ICにおける、素子あるいは回路の機能単位面積。メモリICでの情報記憶単位(メモリセル)、ロジックICでの機能単位ブロック(論理セル)、光センサでの受光単位(ピクセル)、などの各面積を指す。

cell based integrated circuit
ASIC の一種。事前に用意したセルを組み合わせて目的のICを開発する。

CCD素子に配列した画素情報の全画素を順次読み出す方式を全画素読み取り方式といい、移動体でも静止画像と同じ高い解像度が得られます。
これに対し、従来のNTSC系のCCDは全画素を奇数・偶数ラインの2回に分けて読み出します。このため移動体では2重写しとなり、奇数ラインだけを画像処理に利用した場合、解像度が悪くなります。

sense amplifier
メモリICにおいて、メモリセルの非常に微弱な記憶信号を、非常に長いビット線を通して読み出すために用いられる信号増幅器。

scanning electron microscope
SEMともいう。高倍率・高分解能の機能をもつ高性能顕微鏡。IC の3 次元微細構造観察や測定に使用される。この装置技術の応用に電子ビーム露光装置がある。

insertion mount
プリント基板などのIC 実装方法の一つ。パッケージのリード(端子)を基板の穴(ホール)に差し込み、はんだ付けを行なう方法である。これに対して、基板表面に装着する実装を表面実装(SMT)という。

タ行

ダイオード(英: diode)は整流作用(電流を一定方向にしか流さない作用)を持つ電子素子である。最初のダイオードは2極真空管で、後に半導体素子である半導体ダイオードが開発された。その後も研究が進み、今日では非常に様々な種類のダイオードが存在する。

dicing
ウェハ製造工程で完成したウェハ上のチップを,スクライブラインに沿ってダイヤモンドカッタ(ブレード)で切断し,個々のチップに分割する工程。ダイシングには,ウェハ切断時にウェハの厚みを一部残して切り込むハーフカット法と,完全に切断するフルカット法とがある。

複数の方式の携帯電話サービスを1台の端末で利用できるデュアルバンド機において、アンテナ回路の入口で電波をそれぞれの方式の周波数帯域に分離する役目をもつ素子。LPF(ローパス・フィルタ)やHPF(ハイパス・フィルタ)などを組み合わせたLC複合部品。

多数の微細な結晶粒子の集合体からなる固体物質。セラミックスやフェライトは粉末原料を焼成して製造される多結晶体です。結晶粒の境界は粒界と呼ばれます。

multi-layer interconnection
2 層以上の複数配線を縦方向に積み重ねたIC の配線構造。一般には、アルミニウム(Al)や銅(Cu)のメタル配線を意味する。最近では、システムLSI のように大規模化・高集積化となったため、多層配線が多く利用されている。

multi-layer resist
フォトレジストや無機系薄膜(SOG:Spin on Glass)などを積層したエッチングマスクを多層レジストと呼ぶ。一般にフォトレジストに形成されたパターンは、逐次下層の膜へ加工転写され、最終的に被加工膜が加工される。加工寸法の微細化とともに、フォトレジストは薄膜化される。しかし、エッチング耐性の劣化や、露光時にレジスト内部で発生する酸の拡散によってレジストの解像度が低下するなどの問題が起こる(LER:Line Edge Roughness)。この問題をレジスト膜を多層化することで解決する。たとえば薄い上層部で微細パターン化を実現し、厚い下層部でエッチング耐性や反射特性、形状を制御する。液浸露光のトップコート、反射膜機能、化学増幅機能などを考慮した多層レジストも開発されている。

damascene
IC の金属配線形成法の一つ。メッキ技術とリフトオフ法を併用した薄膜形成技術。銅(Cu)配線で注目された方法で、層間絶縁膜中に配線形状の溝を形成して、銅などの金属を埋め込む。接続孔に金属のコンタクトプラグを形成した後に配線溝を形成する「シングルダマシン配線法」と、接続孔および配線溝を形成した後、金属を1 度に埋め込む「デュアルダマシン配線法」がある。多層配線層を平坦にするCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術と組み合わせて使われている。絶縁層に微細な金属配線層を埋め込む象嵌(damascene)的手法からこの名がある。

single electron transistor
1 個の電子のトンネリングによる電圧変化を利用するトランジスタ。薄い絶縁膜を設けた微小なキャパシタを利用したトランジスタが開発されている。

損失係数。電子材料の特性を表す指標の1つ。たとえば、フェライトは一般に透磁率の高い材料がすぐれていますが、外部磁界の変化に対する損失(ヒステリシス損失)も特性に関係してきます。この損失と透磁率の比をタンジェント・デルタ(tanδ)といい、高周波領域で使われる材料には、この数値が小さいことが求められます。また、コンデンサにおいては誘電体の交流電場における誘電分極の遅れに基づくエネルギー熱損失を損失係数(Q値の逆数)として表し、数値が小さいほど損失も小さくなります。

GaN LED
サファイヤ基板などの上にInGaNなどの窒化ガリウム(GaN)系のエピタキシャル層を形成し、450nm紫外領域の波長光を発する青色〜紫外LEDとなる。蛍光体を被せたり、緑、赤色LEDとあわせて点灯すれば、白色光となる。

chip
ダイ(die)ともいう。IC やICの代名詞として使われている。デバイス機能あるいは電子回路を作り込んだシリコン基板の小片。IC の種類によって、また同一技術でも回路の複雑さや集積度によって、チップの寸法はいろいろなものがある。製造工程ではペレット(Pellet)とも呼ぶ。またパッケージされたIC の完成品をチップということもある。

chip set
一つのまとまったシステム機能を実現するために必要とされる、お互いに関連性の高いIC チップの組み合わせのこと。

chamber
物理的、化学的反応を起こさせるための密封した反応容器。IC の製造では、CVD、スパッタリング、エッチングの各装置で使われている。

super-resolution
回折限界を「超える」という意味。光学系では一般に、解像できる物体の大きさRは、光の波長λに比例し、対物レンズの開口数(NA:Numerical Aperture)に反比例する。R = k1・λ/NAという関係がある。たとえば、波長193 nm のArFエキシマレーザで、NA0.75 のレンズを使い、k1 を0.35 とした場合、90nm の解像度となる。この波長限界以下のパターンを露光する技術をいう。k1 を小さくする工夫が「位相シフトマスク」「多層レジスト」などの技術で、またNAを大きくする有力な方法が投影レンズとウェハの間を水(屈折率 n=1.44)で満たす「液浸露光技術」などである。

鉄やフェライトなど強磁性体に磁界を加えて磁化すると、外形がわずかながら伸縮してひずむ現象を磁歪(磁気ひずみともいう)といいます。超磁歪素子は通常の強磁性体より、約1000倍も伸縮の度合が大きな材料です。圧電体も電圧によって似たような変形を示しますが、超磁歪素子は寸法変化が大きいだけでなく、高速応答・高エネルギー変換量という特長もあわせもっています。

Ultra-Pure Water
電気伝導度、固形微粒子数、生菌数、有機物などを極端に低い値に抑えた純粋な水。LSIの各製造工程において、ウェーハの清浄に用いられる。半導体の集積率の向上にあわせ超純水のグレードも高くなってきている。

コイルは直流電流を流しますが、周期的に磁束変化する交流電流に対しては、コイルは自ら反作用磁束を発生して、これを阻止しようとします(電磁誘導における自己誘導作用)。チョークとは“詰まらせる”という意味です。コイルに反作用磁束が生まれる結果、交流電流が流れるコイルには磁気エネルギーがたまります。この働きを利用したコイルをチョークコイルといいます。電子機器の電源回路やDC-DCコンバータなどに用いられます。

Discrete
集積回路に対してトランジスタやダイオード等の単一の構成部品をディスクリートという。本来の意味は、離散的(バラバラ)であること。電気的にはデジタル信号は、サンプリングと量子化により、時間、振幅とも離散的である。

波高弁別器。ある決められたレベルを超えたパルス信号を弁別する素子。

ディープサイクルバッテリーは、バッテリー容量が空になる(放電終止電圧に達する)まで使用できるよう設計されている。
電気供給が長時間必要な厳しい条件下で使用でき、また、繰り返しの充放電に耐えられるような仕様となっている。
主に、建設機械やゴルフカート、フォークリフトや搬送車など、業務用として使用される。

Low-K Materials
ロジックの配線間の絶縁膜に使われている。従来のシリコン酸化膜より誘電率が低く、寄生容量が小さいため、配線間遅延を抑制できる。

decoder
復号器。符号化された信号や情報を復元する機能をもつ。解読器ともいう。メモリでは、メモリセルの選択に使う回路をデコーダという。データを一定の規則に基づいて符号化することをエンコードという。

Design in
半導体メーカー、商社などが、半導体ユーザーと設計の初期段階から協力して、最も使いやすい製品に仕上げること。最近では企画段階など更に初期の段階からの「コンセプト・イン」や「リサーチ・イン」もある。

design house
半導体メーカから委託を受けて半導体の回路設計を行う企業。回路設計だけに特化しているため、設備投資などが不要。中国、インドなどで急成長している。

半導体デバイスに電気を流すことで、正常に動作するかを試験する装置。ATE(Automated Test Equipment)とも呼ばれる。検査対象(DUT, Device Under Test)の集積回路設計時に作成したテストパターンを元に、入力信号を生成し出力信号を期待値と比較する。ウェハーのレベルでの試験(前工程試験、プローブテスト)、パッケージング後の試験(後工程試験)の2回の試験が行われる。装置の価格が数千万円程度と高価であり、テスト時間(主にテストパターン長に依存)が長いと半導体製品の価格に影響を与える。

test house
半導体製造におけるテストだけを請け負う企業。テストに特化することで、テスト技術、コストなどで優位性を発揮している。

design for testability
大規模な論理回路に対し、故障検出率向上と試験時間短縮のため、IC内にテストを行う仕掛けを組み入れた技術。スキャンパス方式(すべてのフリップフロップをシフトレジスタとして動作させられるように回路を追加し直列接続したもの)、論理BISTなどがある。

device design
IC の3 次元的構造を決める設計。構成要素素子、素子間分離、配線系などに関する形状、電気、物性の各特性に関する各技術要素をもとに、目的とする特性を得るようにICの構造を設計すること。

debug
設計品のバグや誤りなどの原因を調べ、それを修正すること。作成したプログラムの異常な部分をバグ(虫の意味)と呼び、バグを探し出して取り除く作業をデバッグという。デバッグをサポートするツールとしてデバッガがある。

depletion-type FET
ノーマリオン型FET(Normally-on FET)ともいう。FET(電界効果型トランジスタ)で、ゲート電圧が 0Vでもドレイン電流が流れるタイプのトランジスタ。

deposition
堆積。IC 製造工程では薄膜を堆積する工程をいう。気相成長法(PVD、CVD、真空蒸着やスパッタリング法)を用いる。このほか膜形成の手段には、印刷法、スピンコート法、メッキ法などもある。かつては印刷法(スクリーン印刷)は厚膜形成、蒸着法などは薄膜形成と分かれていたが、最近ではスクリーン印刷法でも金属薄膜が形成できるようになった。

duty ratio
デューティともいう。クロックなどの信号の周期に対する「High」や「Low」の時間の比率。「High」、「Low」の時間が同じならデューティ比は50%となる。

携帯電話において受信と送信を1つのアンテナで共用させるためのキーデバイス。BPF(バンドパス・フィルタ)などを組み合わせてアンテナ素子を共通化し、送信波と受信波を分離する機能をもちます。従来は誘電体デュプレクサが使われてきましたが、圧電素子の振動による表面弾性波(SAW)を利用した、より小型・軽量なSAWデュプレクサが主流になっています。

金属酸化物と電解質溶液あるいは固体電解質を用いたコンデンサ。プラス・マイナスの極性があり、大きな容量(静電容量)をもつのが特長。アルミ電解コンデンサ、タンタル電解コンデンサなどがあります。

イオン性物質を水などの極性溶媒に溶解させて作った電気伝導性のある溶液。

電気自動車(でんきじどうしゃ)とは、電気をエネルギー源とし、電動機(モーター)で走行する自動車[1]である。略称は一般的にEV(Electric Vehicle)が用いられる。内燃機関(エンジン)を持たない事から、走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物が出ないゼロエミッション車である[2]。
電気モーターを動力源とする電気自動車は、車載電池(バッテリー)から電力を得る電池式電気自動車と、走行中に電力を外部から供給する架線式電気自動車とに大きく分けられる[注 1]。軽自動車や普通乗用車としては電池式電気自動車が注目されたが、大型車を電気自動車にするには大量のバッテリーを搭載しなくてはならず重量が課題となる。そのため、大型車ではハイブリッドカーや架線式電気自動車が注目された。
種類
電池式電気自動車は、外部からの電力供給によって二次電池(蓄電池)に充電し、電池から電動機に供給する二次電池車が一般的である。 →#二次電池式電気自動車 (BEV)
なお、かつての二次電池では、出力やエネルギーあたりの体積と質量が大きく、コストも高く、寿命も不十分であった。また、電池の寿命を低下させる急速な充電を避ける必要もあり、稼働時間に対し長い充電時間も短所であった。そのため、交通機関の主流たりえなかった。しかし、出力・エネルギー密度が高く、繰り返しの充放電でも劣化の少ないリチウムイオン二次電池の発展により、電気自動車が注目されるようになった。また、近年は、電気自動車の普及とともに各国で全固体電池の開発が活発化しており[3][4]、実用化のため自動車メーカーや電機メーカーが研究に投資している[5]。
車両自体に発電装置を搭載する例としては、太陽電池を備えたソーラーカー、燃料電池を搭載する燃料電池自動車がある。発電専用エンジン(レンジエクステンダー)を搭載する物については、内燃機関と二次電池を併用する事からプラグインハイブリッドカーに分類される。
架線式電気自動車としては、架線(架空電車線)に接触させて電源を得る方式はトロリーバスとして古くから用いられているほか、架線を地下に埋設して、誘導電流によって走行中に充電できるオンライン電気自動車などがある。
特性
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(ICE)による動力源と比較すると、適切に選ばれた電動モーターの起動トルクは大きく、高速回転領域まで電力の変換効率がそれほど変化しないので、電気自動車はほとんど変速機を必要としない。また、自身で始動できるため始動用の補助動力装置も不要である。電動モーターは内燃機関に比べると静かであり、騒音が少ない。
持続可能性と電気自動車
地球温暖化が20世後半から加速がつき、2000年代に入って問題視されるようになった。その結果、脱ガソリンエンジンと電気自動車の利用推進は強力に推進されるようになり、一方でそれ以前から技術者たちによって継続的に行われてきた電池技術の改良や発展があったおかげで技術的な障壁は下がり続ける。それらの相乗効果により、各国政府は電気自動車の購入を推進するための法制度が整備され、最近では、電気自動車は公道で日常的に走るための現実的で日常的な乗り物として、存在感を増してきている。
電気自動車は、特に地球温暖化問題に関する京都議定書のCO2排出削減目標を達成する手段の1つとして、あるいは産出国が局在する化石燃料に対する依存を減らす手段の1つとして国家レベルで実用化に力を入れられるようになった。[注 2]
電気自動車が自動車産業にもたらす変化
2010年時点で既に、「電気自動車は自動車産業に大きなインパクトをもたらす(変革をもたらす)と予期される[6][7]」と指摘された。世界の多くの政府が、自国の自動車産業がこれから迎える電気自動車が主流の時代を生き残ってゆくためにと、電気自動車とその構成部品の開発のために莫大な資金を出すことを決断するようになった。たとえばアメリカ合衆国では、バラク・オバマ政権が、電気自動車とバッテリー向けに24億ドルの連邦補助金を出すと約束した[8]。
中華人民共和国は(2010年代初頭に)電気自動車産業の立ち上げに50億米ドル相当のお金を供給すると公表した[9]。
2010年代の後半から、世界各国で、特にヨーロッパ諸国などを中心として持続可能性の必要性の認識が高まった。ガソリン車の販売を規制・禁止したり、(ヨーロッパでは様々なタイプがありえた非ガソリン車の中でも、電気自動車が最も好適なものだと判断しつつ)電気自動車の販売を促進するための法律が導入されたりした。2030年代半ばなどにそうした期限を設定する形での法律が多数可決されており、それをきっかけにして人々の意識や自動車メーカー側の意識がさらに高まるという現象も相まって、そうした法制度上の変化や整備にもさらに加速がついてきている。
2000年代に急速な経済成長を遂げ自動車の巨大な販売市場となった中国では、2019年時点で中国の新車販売に占める電気自動車(EV)の割合は5%で残り95%はガソリン車という状況であった。その中国政府もついに、2020年10月に「2035年には新車販売の50%をEVとし、残り50%をHVとする」という方針を打ち出した。
2020年代に入り、ヨーロッパや中国などの主要な販売市場において「ガソリン車の販売禁止までわずか十数年後」となり、重大な期限が目前に迫る中、世界各国の自動車メーカーは、自社の「生き残り」をかけて電気自動車の改良を加速させることや、すでに急成長してきている販売市場でシェアを確保することにしのぎを削っている。
2020年8月、ドイツに本拠を持つBMW社は「電動化攻勢をさらに加速させ、2030年までに電動モデルの比率を全販売の50%にする」と発表した [10]。2021年2月15日、イギリスに本拠を持つジャガーランドローバー社は、4年後の2025年から高級車ブランドのジャガーの全ての車種を電気自動車にする計画を発表した[11]。

活性炭電極を電解液に浸したコンデンサと似た構造のエネルギー貯蔵デバイス。無数の孔をもつ活性炭は、実質的な表面積が極めて広いため、一般の電解コンデンサ(マイクロファラッドオーダー)の100万倍(ファラッドオーダー)以上の大容量をもつことができます。ハイブリッド車の駆動モータに一時的な大電流を供給する補助電源ほか、太陽光発電や風力発電の出力のバラツキ調整など、広範な応用が考えられています。

電源回路やDC-DCコンバータ用などに最適設計されたインダクタ。大電流が流れるために巻線タイプのものが主流。電子機器の多機能化にともない、ICを駆動させるための電源系インダクタが多用されるようになっています。

電磁気を遮断するための材料。TDKのフレキシールドは高透磁率の磁性材料を樹脂に混合、薄くフレキシブルで自由形状に加工できる複合電磁シールド材です。

electron beam exposure
電子線露光、EB 露光ともいう。IC 製造工程でウェハ上に塗布したレジスト(感光性樹脂)にパターンを描画する露光法の一つ。マスク作成にも利用されている。電子ビームの走査方式(描画方式)には、ラスタ走査方式とベクタ走査方式がある。ベクタ走査方式には電子ビームの形状を矩形や三角形にして、スループットを高めた可変成型電子ビーム露光装置がある(マスク描画用)。また、ウェハ上に直接、電子ビームでパターンを露光する電子ビーム直接描画(ML2:Mask-Less Lithography)装置には、シングルコラム(鏡筒)のブロック露光方式とマルチビーム方式がある。マルチビーム方式にはマルチビーム可変矩形方式や電子源をマトリクス状に配置した面状電子源方式、大面角に配置した並列ビームを同時に走査するCLA(Correction Lens Array)方式などがある。さらに、マスクを使う電子ビーム直接露光装置には低加速電子ビームを使う等倍露光方式( PEL:Proximity EB Lithography)と、縮小マスクを使うEPL(EB Projection Lithography)とがある。

発音体あるいはサウンデューサとも呼ばれる小型の音響変換器。圧電素子を利用した圧電ブザーと、磁石を利用した電磁ブザーがあります。

磁石とコイル、振動板などを組み合わせた発音体。広い周波数と高い音圧が特長で、メロディを奏でさせることもできます。携帯電話のリンガ(呼び出し音)、目覚まし時計やOA機器、自動販売機などのアラーム音として多用されています。

コイルに向かって磁石を出し入れすると、コイルに起電力(電圧)発生して電流が流れ、磁束が発生します。これを電磁誘導といいます。コイルがどれだけ磁束を発生できるかを表す数値がインダクタンスです。

外部の電磁波から遮断され、内部も電磁気的に安定した空間。電子機器から放射されるノイズの測定や、電子機器のイミュニティ(外部からの電磁波に対する耐性)試験などに用いられます。電子機器からの放射ノイズの測定は野外のオープンサイトで測定するのが基本とされていますが、携帯電話の電波をはじめとする周囲の電磁ノイズや天候などによる影響を受けないことから、電波暗室の重要はますます高まっています。電波暗室は外部との電磁的に遮断するための金属製シールドルーム、電波暗室内で放射された電波を吸収するため、壁面や天井などに設置する電波吸収体、試験実施のための設備などで構成されます。

フェライトやカーボンなど、電波の電磁エネルギーを吸収して熱に変える材料を電波吸収材といいます。電波吸収体はそれらを発泡スチロールや発泡ポリエチレン、無機材料などの基材と組み合わせたもの。各種タイプがあり、用途や適用周波数に応じて使い分けられます。フェライトやカーボンなど、複数の電波吸収材を組み合わせた複合型は、広い周波数帯域においてすぐれた電波吸収特性をもつため電波暗室などで使われます。また、タイル状に焼結したフェライト電波吸収体は、ビル壁面などに取り付けてテレビ電波の反射によるゴースト防止などに利用されます。高速道路の料金所でも、ETC用電波吸収パネルが用いられています。

スイッチング電源はじめ、各種装置の保護回路、制御回路の電流検出用センサ。

macroscopic fluctuation/statistical fluctuation
微細な大規模ICにおいて、不規則に発生する素子特性のばらつき(ゆらぎ)。微細化の進展によって、従来は無視できたような製造上の加工ばらつき(素子形状や不純物分布など)が、先端デバイスでは素子特性に影響するなど、問題として顕在化してきている。

clock frequency
回路を動作させる周波数のこと。クロックに同期して動作する回路の場合は、クロック動作周波数とも言う。A-D変換回路の場合は、一般的にサンプリング用のクロック周波数を指す。

磁性体に磁界を印加したときの磁化の増加率のことで、磁性体における磁束(磁力線)の吸収しやすさのこと。スポンジが水をよく吸うように、高透磁率の磁性体は磁束をよく吸収します。記号μ(ミュー)で表され、フェライトのハイμ材とは高透磁率のフェライト材。

dopant atom
物質に所望の特性を持たせるため、故意に添加する不純物原子のこと。半導体では、伝導型によって、n型となるものをドナー、p型となるものをアクセプタと称する。

doping
半導体の製造工程では、純粋な半導体にごく少量の添加物を混入(添加)することをいう。添加物は通常、不純物(ドーパント)と呼ばれ、ドープされた半導体を不純物半導体と呼ぶ。添加物の種類と濃度によってさまざまな性質の半導体を形成する。添加物には、ドナーと呼ばれるⅤ族の元素(リン、ひ素、アンチモンなど)と、アクセプタと呼ばれるⅢ族の元素(ホウ素、ガリウム、インジウムなど)がある。ドナーをドープすると、自由電子が増え、n 型半導体となる。一方、アクセプタをドープすると、電子の欠乏による正孔が発生し、p型半導体となる。

top down design
IC の設計工程で、上流から下流、つまり抽象度の高さの順に、仕様レベル→機能レベル→論理レベル→トランジスタ回路レベル→マスクレベルというように段階的に設計を進めることをいう。これに対して、マスク設計でトランジスタ性能を考慮して、小さなセルから設計を始め、より大きなモジュール、さらにブロックまでを設計することを「ボトムアップ設計」という。

Transistor
1948年、ウイリアム・ショックレーが発明した3端子構造の固体素子で1956年にノーベル物理学賞を受賞(他2名)、増幅、発振などを行う軽量、小型の半導体チップの総称。トランジスタを多く集積したものが、IC、LSI。トランジスタはトランスとレジスターの二つの用語をあわせた造語という説がある。

蓄電池を負荷から切り離した状態で、微弱な電流を絶えず与えて充電する方法で、蓄電池の自己放電を補うことができる。

trimming
微調整という意味で使われる場合が多い。テレビなどのアナログ回路では、部品の特性誤差による電圧や電流の誤差を半固定の抵抗器やコンデンサで調整する。また、基板上に作った薄膜や厚膜の抵抗器などを、レーザ光やサンドブラシで抵抗値を規定の範囲内に収めることをいう。

tunnel effect
あるエネルギー粒子がそのエネルギーより高いエネルギー障壁を透過する現象。エネルギー障壁の幅が原子・分子レベル(ナノメータ)に近づくにつれ、この現象は顕著になる。

ナ行

nanoimprint
微細加工技術の一種で、ナノメータ級の凹凸状パターンを鋳型に形成し、この型を基板上の高分子材料(樹脂など)に押し付け、形状転写することでパターニングを行う。転写には光硬化式と熱式がある。装置価格が従来の露光装置よりも安価で、しかも微細パターンの加工が可能である。

nanotechnology
ナノメートルサイズで一定の機能を持つものを構築する技術。1ナノメートル(nm)は10 億分の1m。原子5 個分程度の大きさに相当する。

Lead(Pb)-free solder
鉛(Pb)フリーともいう。これまで、はんだには古くから錫と鉛の合金(Sn-Pb)が使われてきた。量産性・信頼性に優れるためである。しかし、環境や人体に有害となる鉛を削減しようという狙いから、Sn-Pb 系合金に替わるはんだ合金が開発されている。錫と銀と銅の合金(Sn-Ag-Cu)、錫と銀とインジウムとビスマスの合金(Sn-Ag-In-Bi)、錫と銅とニッケルの合金(Sn-Cu-Ni)、錫と亜鉛とビスマスの合金(Sn-Zn-Bi)などがあり、なかでもSn-Ag-Cuが多くの基板実装に用いられている。しかし、組成によってはんだ付け温度が高くなったり、はんだ付け不良防止のために不活性雰囲気のプロセスを用いるなど、実装技術に工夫が求められる場合もある。

silicon dioxide
一般に「酸化膜」という。シリコン酸化膜ともいう。シリコン(Si)と酸素(O2)の化合物(SiO2)で、非常に安定な膜である。IC のMOSトランジスタのゲート絶縁膜やその他さまざまなところで用いられる。

Secondary battery
充電により化学エネルギーを蓄積するように設計された電池。すなわち、充電が可能で繰り返し使える電池。蓄電池(Storage battery, Accumulator)とも言います。

thermal chemical vapor deposition
CVD の一つ。熱化学的気相成長法ともいう。ウェハや膜堆積用材料ガスを200 ~ 900 ℃に加熱し、イオンラジカルなどを発生させてウェハと化学反応を起こし成膜する方法で、成膜時の圧力によって、常圧CVD、減圧CVDに分類される。

net list
ゲート情報、およびゲート間の接続情報が記述された回路データ。ネットリストを用いてASIC のマスクパターン設計やFPGAへの回路形成を行う。

電子機器におけるノイズには、電源ラインや信号ラインを伝わる伝導ノイズと、電磁波として機器から放射あるいは機器に侵入する放射ノイズがあります。また、伝導ノイズにはディファレンシャルモード(ノーマルモード)とコモンモードの2タイプがあります。デジタル機器の増加や高周波化によって特に大きなノイズ問題となっているのはコモンモードノイズで、コモンモードフィルタの重要性が増しています。

non punch through type IGBT
厚いベース層をもち、オフ状態で空乏層がコレクタ側に届かない構造のIGBT。高速性と破壊耐量に優れた特性をもつ。

ハ行

bare chip
パッケージに入っていない裸の半導体チップ。ウェハから切り出したばかりのICチップ。パッケージに入っていないことを強調するときに使う。

planarization technology
エッチングやデポジション(成膜)を繰り返す半導体製造工程で、ウェハ表面の凹凸をなくして平らな表面形状を得る技術。代表的なものに化学的機械的研磨(CMP)がある。多層配線で重要な技術。

off-axis illumination
露光装置で、解像度や焦点深度を向上させるために、光軸の中心を外した位置に絞りを入れ、フォトマスクに対して露光光束を斜めに入射させる照明方法。斜入射照明(Oblique Illumination)ともいう。通常はマスクに垂直に光を入射する。変形照明アパーチャとして、輪状に光を透過させる輪帯照明(Annular Illumination)や4 極照明(4 つの円状の孔から光を透過させる)などがある。

 hall IC
磁界と垂直な方向に移動する電荷が、移動方向と磁界の両方に垂直な方向にローレンツ力を受けること(ホール効果)を利用し、マグネットの磁力を電気信号に変換する磁電変換IC。センサ部(ホール素子)と周辺回路(増幅回路やシュミットトリガ)が同一パッケージに形成されており、マイコンなどに直接ロジックレベルで入力できる。ホールICは、FDDのインデックスセンサ、モータの回転数検出、ブラシレスモータのコイル通電相切換センサ、テープレコーダのオートリバース/オートストップセンサなど多彩な分野で使用される。

携帯電話などの無線通信機器の送信回路において、送信アンプの出力の一部をフィードバックさせることにより、送信アンプの出力利得を自動制御する部品。2つのインダクタとその周辺に存在するコンデンサ成分を巧妙に組み合わせて機能を実現します。

鉄やフェライトなどの強磁性体をコイルの中に置き、コイルに流す電流を大きくしていくと、強磁性体の磁化の強さもしだいに大きくなりますが、ついには飽和して頭打ちとなります。このときの強磁性体の磁束密度を飽和磁束密度といいます。トランスにおいては飽和磁束密度の大きなコア材料を使うことで、コア断面積や巻線数を減らすことができ体積も小さくなります。

強磁性体を飽和磁束密度に達するまで磁化したあと、逆向きの磁界を加えて、磁束密度をゼロにしたときの磁界の強さ。永久磁石のパワーの指標の1つ。この磁化の過程をグラフ化したのが、S字形の閉曲線を描くB-Hカーブです。残留磁束密度×保磁力の値が大きいほど、すぐれた永久磁石材料となります。

希土類磁石(RECマグネット、NEORECマグネット)やフェライト磁石の粉末をプラスチックやゴムなどに混合して成型した磁石。

hot carrier
ホットエレクトロンともいう。半導体中を走りながら大きなエネルギーを得た電子や正孔のこと。このキャリアがゲート酸化膜に飛び込み、しきい電圧などを変化させるなど特性の不安定要因となる。チャネル長が短くなって顕著になってきた。電源電圧を下げるとある程度改善できるが、動作速度が遅くなる。このため、ソースやドレイン、チャネル領域の不純物濃度のプロファイルを工夫して、ホットキャリアの発生を抑える。この一つがLDD(Lightly Doped Drain:MOSトランジスタのソース/ドレイン構造の一つ)である。   → LDD

polycide
ゲート電極構造の一つ。プロセスの微細化に対応したゲート抵抗の低抵抗化のために用いる。ポリシリコン(多結晶シリコン)とCVDあるいはスパッタリングで形成したシリサイド(ケイ素化合物)を重ねた構造。タングステンシリサイド(WSi2)、コバルトシリサイド(CoSi2)、チタンシリサイド(TiSi2)などがある。

bonding pad
チップへの電源電圧の供給や外部との信号のやりとりは、通常リード線を介して行われる。このリード線と内部回路の各端子との接続のため、チップ周辺部に設けられた金属電極をボンディングパッドという。

マ行

マイクロコントローラ (microcontroller) とは、主に電子機器などの組み込みシステムに使われる集積回路のひとつ。電子機器の制御用に最適化されたコンピュータの一種である。略してマイコンとも呼ばれる。

wafer process
⇒ウェハプロセス、フロントエンドプロセス(FEP)

mask read only memory
ユーザの要求するメモリデータに従って、ICメーカで製造工程中にフォトマスクを使ってメモリセルに“1”または“0”を書き込むROM。マスクROMは他のメモリに比べてメモリセルの面積が小さく、大容量化も進んでいて安価にできる。ただし、書き換えができない。

master slice
特定用途向けIC(ASIC)の一種。機能別に分けた回路が作り込まれている下地部のこと。用途に応じて配線を形成することで、異なった機能を実現できる。

multi-core
多様な機能を高速に実現するために、複数のプロセッサを搭載したシステムまたはパッケージ。Multicore Processorともいう。複数のプロセッサコアで処理を分担する。各プロセッサコアは基本的に独立しているが、2 次キャッシュなどは共有するものが多い。たとえば携帯電話機では、通信処理など電話機能を担当するプロセッサと、画像や音楽を処理するプロセッサ(DSPなど)を搭載している。数百以上のCPUコアを搭載したプロセッサをメニーコア(Many Core)という。

multi hop
あるノードが他のノードと無線通信を行う場合、直接通信を行わず、少なくとも一つ以上の中間ノードを経由する方式。電波が直接届く1ホップの範囲内だけでなく、複数の無線中継器を介して、複数のホップで通信が可能になるので、より大規模・広範囲のネットワークが構築できる。

mixed signal
アナログデジタル混在回路。

middleware
データ圧縮/伸長機能、音声認識/合成機能など、特定の機能を各種OS(Operating System)上で動作させるためのソフトウェア。アプリケーションソフトとOSの中間にあるという意味でミドルウェアと呼ばれる。

Moore's law
IC に集積可能なトランジスタの数は,約3年で4倍に増えるという技術開発スピードに関する経験則。米国I n t e l 社の創始者の1 人,ゴードン・ムーア(Gordon Moore)によって1965年に提唱された。この法則をMPU(Microprocessor Unit)に適用すれば,一つのMPUに集積される素子数は18カ月ごとに2 倍になる。ムーアの法則は,コンピュータの処理能力やIC の集積密度がどのように向上していくかを予測する場合にしばしば引用される。

inorganic electroluminescence
蛍光体を含む膜に交流高電界を加えたときに起きる電子の衝突励起による発光。発光体に硫化亜鉛(ZnS)などの無機物を使うことから無機ELという。

wireless LAN
電波や光(赤外線)などを利用したLAN(構内情報通信網)のこと。一般的には無線LANに対応したパソコンからアクセスポイントに接続して使用する。2.4GHz 帯や5GHz 帯を使う無線LAN「IEEE802.11a/b/g」などがある。

radio frequency tag
「ICタグ」または「RFID」(Radio Frequency Identification)とも呼ばれる。長波帯、短波帯、UHF帯、マイクロ波帯の特定の周波数が無線タグに割り当てられている。2mm角以下のチップが一般的であり、管理対象の製品などに貼り付けることにより、工程管理や、物流の管理が容易になる。

instruction sequence
命令とは、マイクロプロセッサなどが実行する基本演算の手順のこと。複数の命令が連なったものを命令列という。プログラムはこれらの命令列で実現される。

many core
数百個のCPUコアを搭載したプロセッサのこと。今後、メニーコアによる高性能プロセッサの実用化が期待されている。

memory
メモリとは、コンピュータにおいて、プログラムやデータを記憶する装置のことである。特に、RAMやROMなどの半導体記憶装置のことである。 メインメモリは半導体素子を利用して電気的に記録を行っている。そのためCPUがダイレクトに読み書きすることが可能で、また動作も非常に 高速であるという利点がある。ただし電源を切ると内容が失われる(揮発する)という欠点がある。記憶できる容量あたりの単価も非常に高くつく。

surface orientation
シリコン単結晶ウェハなどで、表面部分が有する結晶方位。MOS ICでは(100)面などが使用される。

motor
磁場内で電流が受ける力を応用して、電気エネルギーを回転などの機械エネルギーに変える装置。電動機。

module
マイクロプロセッサなどでは、内部に搭載されたあるまとまりをもった機能を実現するハードウェア部品のことをいう。CPUコアもモジュールのひとつ。CPUコア以外のものを周辺モジュールと呼ぶこともある。また、ある特定の処理(画像処理や音声、音楽、暗号など)を専用に処理するものを専用モジュールと呼ぶこともある。

monolithic integrated circuit
半導体集積回路のこと。同一チップ上に構成されている集積回路。

ヤ行

organic electroluminescence
電極から電子と正孔(ホール)を注入し、有機固体内部で再結合させて、発光させる電流注入型の発光ダイオード。発光体に有機材料を使う。

dielectrics
IC では絶縁体とほぼ同義語で使われる。IC で使われる代表的な誘電体は、シリコン酸化膜(SiO2)、シリコン窒化膜(Si3N4)などがある。コンデンサの主材料。

permittivity, dielectric constant
誘電体において、電界を加えたときの電束密度(D)を電界(E)で除した値。誘電率をεで表わすと、D=εEで表される。

ubiquitous
ユビキタスは「いたるところに存在する」(遍在)という意味。インターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこでも、誰にでもアクセスできる環境を指し、場所にとらわれない働き方や娯楽が実現できるようになるという意味で使われる。

ラ行

learning curve
習熟曲線ともいう。同じICの製造工程では、累計生産量が拡大するにしたがってコストが減少するという経験則。あるいは、その傾向を示す曲線。

life cycle assessment
原材料の資源採取から、運搬、製造、流通、製品使用製品やサービス、廃棄、再資源化に至る、製品の一生における環境影響を、資源・エネルギーの投入量、環境負荷物質の排出量を把握し、定量的に評価する手法。LCAと略す場合がある。

library
IC 分野では、基本論理ゲート(NOT、OR、NANDなど)や、これらを組み合わせてある規模にまとめた論理回路ブロック、あるいは設計・検証されたセル(基本機能回路)を登録・資産化した総体としてのデータベース。セルライブラリともいう。機能セルをあらかじめ設計しIC の構成要素部品として準備・資産化しておけば、実現すべき機能や性能に応じて、これらを適宜選択し組み合わせて使用することで、容易にICを設計できる。

line sensor
エリア( 2次元)センサに対し、受光部をライン状(1次元)に並べたイメージセンサ。リニアセンサともいう。主に、FAX、コピー、スキャナ、バーコードリーダに用いられる。

latchup
トランジスタがオフになっても電流が流れ続ける状態。トランジスタ飽和からカットオフに切り換わっても、回路のコレクタ電圧が供給電圧に復帰せず、コレクタ特性のアバランシェ領域に安定点をもつ。ラッチアップは多くのICに見られる4 層pnpn 構造で発生する。とくにCMOS 回路は構造的に寄生npn/pnpバイポーラ(寄生サイリスタ)ができやすい。外来パルス雑音がトリガとなって、このサイリスタがオン状態となり、電源からグランド(接地)に大電流が流れて回路が動作しなくなる。

正極と負極をセパレーターを挟んで交互に重ねたものをラミネートで封止した構造の電池のこと。
近年のモバイル機器の小型化や軽量化は著しく向上しており、リチウムイオン電池はその技術向上の一端を担っています。 その中でも、形状や薄さ・性能の面で優位性があるということから、ラミネート型リチウムイオン電池は最も大きな注目を集めていると言えるでしょう。
通常、リチウムイオン電池に使用される正極活物質には、一般的にコバルト酸リチウムが多く使用されていますが、 ラミネート型リチウムイオン電池にはマンガン酸リチウムが用いられており、コスト・安全面において優れた特徴を有しています。
ラミネート型リチウムイオン電池は、その構造もあって軽量化が容易で、コスト面でも優位性を持っているとされています。 円筒形電池と比べて表面積が広いため放熱性が高く、充放電によるセル全体の温度上昇を低く抑えることが可能です。
近年では、ハイブリッドカーや電気自動車への搭載、産業用蓄電池としての利用、移動体用電源などの用途で利用されており、 今後のさらなるコストダウンや、新製法の開発に期待がかかっています。

Reader Writer
各種メモリカード、ICカード、無線タグ用の読み出し/書き込み装置を、リーダライタと呼ぶことが多い。無線タグ用としては、ハンディターミナルに内蔵されているものの商品化も進んでおり、物流用途での使用環境も整備されつつある。

lead frame
チップを乗せる金属製の枠のこと。主に樹脂モールドタイプのパッケージに使う。素材はFe-Ni 系合金やCuなどを使用し、複数個のパターンを連結した形でエッチングまたはプレス加工して作る。

reconfigurable
ユーザが要求に応じてシステム構成を変更できる(Programmable)、あるいは使用中にダイナミックに変更できるようにしたシステム。

lithography
マスクに描かれた回路パターンをウェハ上に露光転写する工程または技術。ウェハにレジスト(感光性樹脂)を塗布し、これにマスクのパターンを焼き付け、現像する。光の当たったところとそうでないところで、現像後にレジストが残る/残らないに分かれ、レジストの凹凸パターンとなる。この仕組みからリソグラフィ(石版)と呼ばれる。このレジストパターンを基に、ウェハに微細な加工を加える。これには、エッチング(削り取る)、デポジション(別の材料を堆積する)、ドーピング(適当な不純物をしみ込ませる)がある。紫外線を使う光露光(フォトリソグラフィ)、電子線露光、X 線露光などがある。
 → フォトエッチング

リチウムイオン二次電池(リチウムイオンにじでんち、英: lithium-ion battery)は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。正極、負極、電解質それぞれの材料は用途やメーカーによって様々であるが、代表的な構成は、正極にリチウム遷移金属複合酸化物、負極に炭素材料、電解質に有機溶媒などの非水電解質を用いる。単にリチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリー、Li-ion電池、LIB、LiBとも言う。リチウムイオン二次電池という命名はソニー・エナジー・デバイスによる。

Linear IC
アナログ信号の増幅や発振、変調、演算などの処理を行うアナログICの中で、特にその入出力の関係が直線的なもの。リニアICは、民生用リニアICと産業用リニアICに分類される。

reference board
電子機器メーカの参考となる応用システムを搭載したプリント回路基板(ボード)のこと。市場で良く利用されるシステムを搭載し、ICを売り込むためにICベンダーが作成する。電子機器メーカが作成する独自システムの参照となるためにこの名がついた。

refresh
DRAMにおいて、メモリセルへ同じ記憶情報を、一定間隔で再書き込みする動作のこと。記憶素子であるキャパシタに蓄積された電荷は、その構造上、リークによって経時的に失われるため、同じ記憶情報を維持するために必要となる。

reflow
表面実装部品のはんだ付けの一方法。基板にあらかじめはんだペーストを塗布し、この上に表面実装部品を位置決めし、セットしておく。そして基板ごと、高温の雰囲気を通過させることで、塗布したはんだを溶解し、部品と基板との電気的接続を行う方法。赤外線を用いて高温にする方式は、赤外線リフローとも呼ばれる。

back grind
IC の前工程が完了したウェハの裏面を研磨して厚さ数十μ m ~ 200 μ m 程度に薄くすること。目的は、① ICカードや積層チップのためパッケージ厚を薄くする、②基板電位を確保する、ためである。

quantum effect device
半導体デバイスを微細化してデバイス構造を電子の波長(数10nm 程度)と同程度以下にすると、電子の波動性としての性質に起因する現象が起きる。これを利用したデバイス。

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量子コンピュータ (りょうしコンピュータ、英: quantum computer)(量子計算機) は、重ね合わせや量子もつれと言った量子力学的な現象を用いて従来のコンピュータでは現実的な時間や規模で解けなかった問題を解くことが期待されるコンピュータ。「量子ゲート」を用いて量子計算を行う原理のものについて研究がさかんであるが、他の方式についても研究・開発は行われている。
いわゆる電子式など従来の一般的な[1]コンピュータ(以下「古典コンピュータ」)の素子は、情報について、「0か1」などなんらかの2値をあらわすいずれかの状態しか持ち得ない「ビット」で扱う。量子コンピュータは「量子ビット」 (英: qubit; quantum bit、キュービット) により、重ね合わせ状態によって情報を扱う。
n量子ビットがあれば
2 n {displaystyle 2^{n}}
の状態を同時に計算し、
2 n {displaystyle 2^{n}}
個の重ね合わされた結果を得る事が出来る。しかし、重ね合わされた結果を観測してもランダムに選ばれた結果が1つ得られるだけで、古典コンピュータに対する高速性は得られない。高速性を得るには欲しい答えを高確率で求める工夫を施した量子コンピュータ専用のアルゴリズムが必須である。もし、数千qubitのハードウェアが実現した場合、この量子ビットを複数利用して、量子コンピュータは古典コンピュータでは実現し得ない規模の並列コンピューティングが実現すると言われている。
量子コンピュータの能力については、計算理論上の議論と、実際に実現されつつある現実の機械についての議論がある。#計算能力の節を参照。現実の機械の能力については#実際の項を参照。

loop architecture
反復処理を行う帰還回路を備えた回路構造。増幅回路において、入力信号の利得変化(ループ利得)を得るために用いられ、入力信号と出力信号の極性が同じか反対かによって、正帰還、負帰還と呼ばれる。

laytency
一般にコンピュータシステム内、あるいはネットワークに接続されたデバイス同士が、データや信号を確実に受け渡しするために設けられる待ち合わせ時間。適切なレイテンシ時間が設定されていないと、データが正常に受け渡せない場合がある。

regulator
レギュレータは電力負荷の程度などによってリニアレギュレータとスイッチングレギュレータの2種類に分類される。 リニアレギュレータは、入力電圧よりも低い出力電圧であれば常に一定の電圧へ制御することができる。仕組みが単純で、 安価であるというメリットを持っている。リニアレギュレータのうち特に三端子レギュレータと呼ばれる回路素子は、 手軽な定電圧装置としてよく利用されている。

register
命令による演算に必要なデータを格納するCPUコアなどデバイス内の高速な記憶域。CPUコアでは、通常、レジスタは32または64ビット幅で16本~32本程度ある。   →CPUコア

alternative phase-shifting mask
ラインパターンの一つおきに、位相を変えるシフタを配置したマスク。交互位相配置型(AAPSM:Alter Aperture Phase Shift Mask)ともいう。シフタ構造としては、マスク基板(石英)を掘り込んだものが多い。この溝(位相シフタ)を通過した光は、位相が180 度変わり、シフタのない部分を透過した光と位相を打ち消し合う。結果的に、ウェハ上でパターンエッジ部の光の強弱が明確になり、解像度が向上する。
→位相シフトマスク、光学近接効果補正、超解像、リソグラフィ、ハーフトーン型位相シフトマスク

logic integrated circuit
数値計算、論理演算、比較・判断などの各種処理をメインの機能としてもつIC の総称。論理ICともいう。

lot
製造工程で、プロセスステップの流れに沿って管理される単位。一般には同じ製造工程で作られる。

logic circuit
“0”と“1”の2 つの値に対して、論理演算を行い、結果を出力する回路。論理回路には論理積演算を行うAND 回路、論理和演算を行うOR 回路、論理否定演算を行うNOT 回路の3 つの基本回路がある。演算装置内にある加算器などの演算回路はこの3 つの回路を組み合わせて作られている。

logic simulation
設計者が意図した通りに論理回路が動作するかどうか、機能とタイミングを検証する方法。狭義には、ゲートレベルで構成された回路記述の検証を指す。広義には、さまざまな設計抽象度の高い設計データを用いたシステムレベルの検証も含まれる。

logic design
IC開発で、機能設計に基づいて具体的な論理回路レベルで実現するための設計のこと。EDAツールを多用した自動論理設計では、機能設計で得られたHDL(ハードウェア記述言語)やRTL(Register Transfer Level)の記述に基づいて、ゲート回路レベルの論理回路を設計する。論理システムを論理回路に変換する操作を論理合成ともいう。

ワ行

work memory
プログラムの実行や変数処理など、高速に動作して情報処理するためのメモリ。高速性、大容量化、動作し続ける耐性(実質的に無制限の書き換えが可能など)が求められる。代表的なメモリとしてDRAMが用いられている。

word line
メモリICにおいて、格子状に配列されたメモリセルの中から書き込み/読み出しを行うセルを選択するための信号線。メモリセルトランジスタのゲート電極に接続されている。

wire bonding
ICチップ表面のボンディングパッドとパッケージのリードを金線などで電気的に接続すること。